


フジテレビアナウンサーを退職後、英国へ留学。
アロマセラピーの資格を取得。現在は、病院でアロマセラピストとして活動するほか、テレビ朝日「素敵な宇宙船地球号」ナビゲーター等のほか、執筆業やラジオパーソナリティも務める。著書に『アロマの惑星(木楽舎)』、翻訳書に『ハーブティーバイブル(東京堂出版)』2月末に、野口聡一宇宙飛行士を取材した『スイートスイートホーム(木楽舎)』を上梓。

--先ほどお伺いしたところ、現在、漢方薬を飲んでいらっしゃるんですよね。
大橋さん:ええ。2種類のお薬を飲んでいます。実は今もお湯に溶かした漢方薬を水筒に入れて持って来ているんですよ。
--差し支えなければ、飲み始めた理由を教えていただけますか?
大橋さん:今から4ヶ月ほど前のことですが、突然、右耳の調子が悪くなってしまったんです。それもステージ上でお仕事をしているときに。幸い、まったく聞こえなくなったわけではなかったので、その場は問題なく終えることができましたが、やっぱり人の話を聞くというお仕事をさせていただいているわけですから、このままではいけないと思い、漢方に詳しいお医者さんに診てもらうことにしました。でもいきなり漢方薬というわけではなくて、当初は耳鼻科で西洋薬を処方してもらい、それを飲んでいました。でも、困ったことに、飲み終わると症状がぶり返してしまうんです。それで知り合いに相談して、漢方にたどり着きました。
--突然、症状が現れるなんて、ちょっと怖いですね。大橋さん自身、何かしら心当たりはあったのですか?
大橋さん:初めは海外出張が重なったので、時差や飛行機の移動による気圧の変動などが関係しているのだろうと思っていました。ストレスがきっかけかもしれないって思ったこともありましたね。ただ、小さい頃からちょっとしたことですぐに緊張してしまう性格でしたし、アナウンサー時代は今よりストレスがありましたから、もしストレスが原因だとしたら、どうして、今なんだろうって思います。
--漢方の場合、たとえば耳に症状があっても、原因は必ずしも耳にあるわけではなく、全身のひずみのようなものが耳の症状として現れていると考えるようです。
大橋さん:そうみたいですね。診察してくださった先生から「漢方的な考えでは血液の流れが滞っていて(お血)、内臓が冷えている。その影響が耳に表れている」と言われました。耳の不調の原因が冷えにあるなんて、本当にビックリです。もともと末端が冷えやすいということは自覚をしていたので、5本指の靴下をはいたり、アロマテラピーをしたりしてケアをしていたのですが、まさか内臓にまで冷えがおよんでいるなんて、そのときに初めて知りました。

--その後の調子はいかがですか?
大橋さん:飲み始めて1週間ぐらいしたら、調子が良くなりました。体が純粋に反応したみたいで、これには先生も驚いていましたね(笑)。そのほか、まだ手足の冷えは残っていますが、それでもだいぶ楽になりました。きっかけは耳の治療でしたが、漢方の診察を受けたことで、いろいろな発見がありました。
--その“発見”について、ぜひ、教えていただけますか
大橋さん:一つ目は「気」の考え方ですね。とても新鮮でした。エネルギーや気と呼ばれるものについては、よく耳にしますが、自分の体の中で作り出すという考えはありませんでした。私の場合、いくらご飯を食べても、すぐにお腹が空いて、ぐうって鳴ってしまう。これも先生曰く、「食べたものが“気”に変わっていないためだ」と。体が冷えていると、いくら食べ物を取り込んでも気というエネルギーに変換されないということを知って、なんて効率の悪いことが体の中で起こっていたんだろうと、本当に思いました。それから、これは発見といえるかどうか分かりませんが、漢方って思った以上においしいです(笑)。
--漢方薬は人によって合う・合わないがあり、合う人が飲むと苦さも含めておいしく感じるそうですよ。
大橋さん:えっ、そうなんですか。じゃあ、この漢方薬は私に合っているということなんですね。そういえばビタミンが足りていないときは、無性にブロッコリーが食べたくなるんですけれど、きっとそれと同じ理屈なんでしょうね。(一同、笑)不足しているものを欲するという体の反応ということで。
--漢方薬はどのような飲み方をされているんでしょう?
大橋さん:私の場合はお湯に溶かして飲んだ方がいいと先生がおっしゃったので、そうしています。初めは黒蜜やメープルシロップと混ぜて、味のバリエーションを楽しんでいましたが、今はそのままお茶のような感覚で飲んでいます。不思議と今は、その味や香りに安心感を覚えるんですよ。ホッとします。先ほども水筒に入れて持ち歩いているって言いましたけれど、そうすることで仕事先でも案外、落ち着いたりするんですね。

--ところで大橋さんはアロマセラピストですが、漢方とアロマテラピーとはどの辺りが違うのでしょう。
大橋さん:アロマテラピーは、香りを嗅ぐ、肌につけるというように、外からのアプローチがほとんどです。口にするとしても、ハーブティーぐらいですね。ただ、お茶ってとても身近なものですから、よく飲んでいます。一方、漢方薬は医薬品であり、ハーブティーとはまったく別ものですが、私にとってはお茶のような感覚で飲めるところがいいですね。両方を経験したことで思うのは、やはり健康管理は体の中と外の両方から行うことが大事、ということです。
--外側からアロマ、内側から漢方ということですね。
大橋さん:そうっ!まさにその通りです。例えば今の季節は冷えがひどいので、ジンジャー入りのお風呂に入って外側から体を温めるのと同時に、漢方薬で内臓を温める。そうするとポカポカが長続きします。両方とも欠かせません。
--冷え対策以外で、大橋さんが日ごろ気を遣っていることはありますか?
大橋さん:睡眠とストレス対策はしています。睡眠で言えば、アロマのお風呂にゆっくり入る、ベッドサイドにアロマをたいて寝る、寝る前にストレッチをするといったことでしょうか。眠りにつきやすいだけでなく、ぐっすり眠れるような気がします。朝、目覚めた瞬間に、「よく寝たなぁ」って思うような眠りですね。みなさんもそうだと思いますが、なかなか質のいい眠りはできませんね。きちんと眠るにもエネルギーがいるって、よく分かります。

--もう一つ、ストレス対策についても教えてください。
大橋さん:私自身、ストレスを感じやすい性格だと思います。特に最近は仕事の幅が広がっていますし、無理をすることもあります。ただ、以前はラジオやテレビ、ステージなどの仕事をするときと、家でパソコンに向かって原稿を書くときとは、まったく違う私、そう思っていましたし、そう振る舞っていました。実はそのギャップがストレスになっていたということに、最近、気づきました。今はお化粧する・しないの違いはあっても、基本的には私は私であり、変わらないものと思うようにしています。そのほうが自分に無理がないですし、よくよく考えると、書く仕事にしても外の仕事にしても、「相手があって、その人達が何を欲しているか、私に何ができるかを考える」というスタンスは変わりないんですよね。
--ストレスにならない環境をご自身の中で作りつつあるという感じでしょうか。
大橋さん:そうなんでしょうね。人によってはあえて自分にストレスをかけて自らを駆り立てていくタイプもいますが、私はそういうやり方は向いていません。とても心配性ですし。
--昔からそのような感じだったんですか?
大橋さん:ええ。小学校の時に朗読の授業で緊張して失神したこともありました(笑)。体質的にもあまり変わっていないかもしれません。昔から滋養強壮に良いといわれる健康食品などを口にしていたくらいですから。そういうことがあったから、よけい健康について意識するようになったのかもしれません。ただ、これまでは「栄養をつけよう」「ストレスを何とかしよう」というように、漠然とした意識でしかありませんでした。それが漢方に出会ったことで、私に必要なのは「冷やさないこと」「睡眠をとること」「ストレスをためないこと」と言うことが分かりました。ピンポイントで対策が考えられるようになったんですね。反対にどうしても無理をしなければならないときは、この3つを守ればいいということになるわけです。
--最後に、このインタビューを読んでいる女性に、大橋さんからメッセージをお願いします。
大橋さん:あまり自分で抱え込みすぎないで、です。20代も後半を過ぎると、仕事も覚えて楽しくなり、周りからも期待されるようになります。私たちもその期待に添いたいって思います。ただ、なかにはどうしても期待に添えない場合もあります。そんなときに無理をしてしまいがちです。自分の体に症状という危険信号が出てしまった時点ではちょっと遅いんですが、そのときは周りの人に弱音を吐いたり、症状が出ていたら、お医者さんに診てもらったりして欲しい。弱音を吐くということはとても勇気がいることですが、自分の現実に向き合うことでもあり、そこから開けてくることもあります。自分だけで抱え込まずに、いろいろな人を巻き込みながら、ネガティブなエネルギーを良いエネルギーに変えていってください。お互いにがんばりましょう。
