漢方ビュー通信

ココロとカラダに効かせるバスタイムのポイント

ココロとカラダに効かせるバスタイムのポイント

バスタイムは自分だけの空間、自分のための時間

急に寒くなり、一気に初冬の趣になった感があるこの頃。
こんな時期に恋しくなるのは、やっぱり“お風呂”でしょう。
カラダが温かい湯に浸かったときの、あの、ふわっとした開放感。たまりませんよね。
浴室という完全なプライバシーな空間で、自分だけの時間を持つ。せっかくだから、よりカラダとココロに効かせるバスタイムにしたいもの。
そんな人のために、この時期の入浴ポイントを紹介しましょう。

温熱、静水圧、浮力などの作用が期待できる

一般的に入浴の効果には、温かいお湯に浸かることでカラダが暖まる「温熱作用」、水圧によって全身がマッサージされたような状態になる「静水圧作用」、そして湯に浸かることで感じるカラダの重さが10分の1になるという「浮力作用」があります。
この3つの作用によって、全身の血流がよくなって、体内に蓄積した老廃物が回収、除去され、カラダに必要な栄養や酸素を全身に行き渡らせることができます。
まさにバスタイムはデトックスタイムなのです。
お風呂の効果はこのほかにも、お湯によってカラダが洗われる清浄作用や、蒸気によって気道や口腔内、鼻の中などが潤う作用、リラックス効果などが挙げられます。
お気に入りの入浴剤を使えば、香りや入浴剤の成分のはたらきも加わって、さらにカラダ、ココロへの作用が高まります。

今は半身浴ではなく、全身浴がオススメ

今は半身浴ではなく、全身浴がオススメ

日本入浴協会によると、湯温を38~40度にすることで、自律神経の副交感神経が優位になるとしています。血圧が下がり、筋肉がゆるむので、ココロもカラダもストレスから解放され、肩こりや冷えなどの不定愁訴も解消されます。
とくに日々、ストレスによって交感神経が優位になりやすい現代人は、バスタイムで副交感神経を優位にさせて上げることが大切です。
また、一時期は腰ぐらいまでの湯に入る半身浴が流行りましたが、今は先に挙げたさまざまな入浴の効果を得るためにも、肩までしっかり浸かる全身浴が見直されています。
入浴時間の目安は10~15分
先日、都内で行われた「入浴のセミナー」では、私たちのカラダは1分間で血液が全身をひと回りするとのこと。つまり、10分間お湯に浸かると温かい血液が10回、全身を巡るということになります。カラダの芯までしっかり温めることは、湯冷めをしない、冷えにくいカラダを作るために、とても大事です。
一方で、長湯はぬるめの湯でも心臓に負担をかけるキケンがあるので、うっすら汗をかいて、ドキドキしてきたら湯から上がるようにしましょう。

<日本入浴協会が勧める入浴ポイント>

湯温は38度~40度
肩まで全身浴
入浴時間は10~15分

入浴剤。どれも一緒だと思っていませんか?

入浴剤。どれも一緒だと思っていませんか?

入浴剤もバスタイムを彩る大事な要素でしょう。
意外と知られていませんが、入浴剤には「医薬部外品」と「薬用化粧品」、「雑貨」の3つに分類されています。健康効果を期待したいのであれば、しっかり医薬部外品薬用化粧品をチョイスしたいところです。
入浴剤にもいろいろありますが、寒い季節は、炭酸のお湯がオススメ。これもセミナーで知ったことですが、炭酸は入浴剤に含まれるミネラルなどとともに血管に入り込みます。血液中の炭酸濃度が高くなると、カラダは早く酸素とガス交換しようとするため、血流がよくなり代謝がアップするといいます。
実際、日本温泉気候物理医学会に報告されたデータによると、炭酸ガスが入った入浴剤のほうが、皮膚温が高く保たれやすく、血流もよくなっていることが確かめられています。
今はさまざまなタイプの炭酸入浴剤が売られていますので、いろいろ試してみてはいかがでしょう。


これからやってくる寒い冬に負けないよう、ポイントをしっかり抑えて、ココロとカラダがハッピーになるバスタイムにしてみませんか?

こちらも参考に!

日本入浴協会
https://nyuyoku-kyoukai.com/

日本温泉気候物理医学会雑誌
https://www.jstage.jst.go.jp/article/onki/74/4/74_227/_article/-char/ja/

Nov 14 2017

医療ライター・山内

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