漢方ビュー通信

そろそろ始めたい!紫外線対策の最新事情

そろそろ始めたい!紫外線対策の最新事情

5月はすでに「紫外線対策が必要」な状態

日に日に日差しも強くなり、木々の緑がまぶしくなってきている今日この頃。
そろそろ始めたいのが、“紫外線対策”です。
まだ早いのでは?と思う人もいるかもしれませんが、じつは今からの対策が非常に大事なんです。
日本では7月から8月にかけて紫外線が強くなります。5月はというと、紫外線量が最も少ない12月や1月と比べて3倍ぐらいの量になり、そろそろ「紫外線対策が必要」という段階になる頃なのです。

紫外線で注意しないといけないのはAとB

ここでちょっと「紫外線」についておさらいを。
紫外線は、波長によって「UV-A」、「UV-B」、「UV-C」の3つの種類に分かれます。もっとも長い波長が「A」で、最も短いのが「C」になります。
このうち問題となる紫外線は、「UV-A」と「UV-B」。ちなみに、「UV-C」はオゾン層によって吸収されるので、地上まで届きません。
日焼けしたときに肌が赤くほてったり、水ぶくれができたりするのは、「UV-B」の仕業。一種のやけど状態を起こす紫外線です。表皮でメラニンを増やすため、肌が黒くなる「サンタン」という日焼けを起こし、皮膚をごわつかせ乾燥させます。
一方、「UV-A」は、「UV-B」ほど強い作用はないものの、肌の奥にまで入り込んで、じわじわとダメージを与えます。皮膚の奥にあるコラーゲン組織などに影響を及ぼして、シワやたるみの原因になるそうです。

曇りや雨で弱まる紫外線。日陰は意外と多い

曇りや雨で弱まる紫外線。日陰は意外と多い

ところで、曇りの日や日陰などではどれくらい紫外線の量が減るのか、ご存じですか?
気象庁によると、薄曇りの日の紫外線の量は快晴時の約8~9割、曇りでは約6割、雨だと約3割に減るとのこと。
ただ、日陰はちょっと注意が必要。直接的に降り注ぐ紫外線以外に、散乱して降り注ぐ紫外線、地表で反射した紫外線などもあるため、私たちが目で感じる以上に紫外線を浴びているよう。地表で反射された紫外線の割合は、草地やアスファルトでは10%以下ですが、砂浜だと10~25%にもなります。
日陰にいるときも、“紫外線にあたっている”という意識を持つことは大事かもしれません。

日焼け止めは2~3時間おきがセオリー

日焼け止めは2~3時間おきがセオリー

最後に日焼け止めについて解説を。
日焼け止めに含まれる紫外線防止成分には、紫外線散乱剤や紫外線吸収剤などがあります。紫外線散乱剤は白浮きしやすいという欠点がありますが、アレルギーを起こしにくく、子ども用としても市販されています。
肌が敏感な人など、気になる方は「紫外線吸収剤無配合」「紫外線吸収剤フリー」「ノンケミカルサンスクリーン」といった表示をチェックしてみましょう。
日焼け止めの指標には、「SPF」や「PF」があります。洗濯物を干す、買い物に行くなど、ちょっとしたお出かけのときは弱めのものを、アウトドアで日をがっちり浴びてしまうときには強めのものを。いずれも2~3時間おきに塗るのがポイントです。
シミ、シワといった美容的なトラブルだけでなく、皮膚がんや白内障など全身に影響を及ぼす紫外線。
今からしっかり対策を!

こちらも参考に!

<気象庁>
紫外線情報分布図
http://www.jma.go.jp/jp/uv/

<環境省>
紫外線 環境保健マニュアル(2015年3月改訂版)
http://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2015/full.pdf

May 2 2017

医療ライター・山内

関連コンテンツ