漢方ビュー通信

出したいのに出せない!苦しいお腹の張りを何とかして

出したいのに出せない!苦しいお腹の張りを何とかして

お腹だけぽっこり…。

お腹の張り(腹部膨満)は、お腹のなか(主に腸)にガスや液体、便などがたまることで起こる症状の一つ。妊娠や病気(がんや婦人科系、腸や肝臓の病気など)、月経によるホルモンバランスの乱れや便秘、ストレスなど、さまざまな原因で起こります。
スカートやパンツのファスナーがしまらない、お腹だけぽっこり出てしまっている…。そういう人のなかには、お腹の張りに困っている人も多いのでは?
さっそく、お腹の張りの原因と対処法について考えてみましょう。

まずは知りたい「おなら」の仕組み

まずは知りたい「おなら」の仕組み

私たちは食事をするとき、知らないうちに空気も一緒に飲み込んでいます。
空気は本来、“げっぷ”として排出されますが、一部は食べものと一緒に体内に取り込まれ、腸内にたまります。
この空気と、タンパク質や食物繊維が分解されたときにできるガスなどが混ざり合ったものが、腸内ガス。一部は血液に吸収されて息になり、残りは“おなら”として排出されます。
お腹が張るのは、「腸内ガスの量の増加」か、「排出がスムーズにできない」のどちらか。前者は、腸内ガスが出やすい食事をたくさんとった場合、後者は便秘などによって腸の動きが悪くなった場合などで起こります。

食生活も見直しを!

食生活も見直しを!

お腹の張りは苦しい上に、“お腹ぽっこり”と見た目にも影響するので、なかなか悩ましいもの。
とくにオフィスなどの環境では、音や匂いを気にしておならをガマンしてしまいがち。
ですが、そのまま放っておくと痛みやお腹が鳴るという症状なども出てきます。
そんなときは、軽いストレッチや運動をして腸の動きを高めてあげるのがポイント。ベルトや下着の締め付けがきついときは、緩めてあげましょう。
対処法だけでなく、お腹が張りにくい体質に変えることも大事。
何より大事なのは食事の内容の見直しです。
腸内ガスの発生は、主に炭水化物に影響されるといわれています。消化が悪いもの(玄米や豆類など)はガスを作りやすいため、よく煮るなど消化吸収のよい調理法を心がけて。よく噛んで食べることもお忘れなく。

意外なのは、果物や野菜。カラダによさそうなイメージがありますが、人によっては食物繊維が多すぎる野菜(切り干し大根やゴボウ、干し柿、プルーンなど)を摂るとお腹が張ることがあるので、注意しましょう。|

ライフスタイルの見直しでも難しいときは?

意外かもしれませんが、ストレスと腸内ガスには密接な関係が。
じつは、緊張や不安により無意識に空気を飲み込んでしまうことがあるのです。これを“呑気症(どんきしょう)”といい、腸内ガスの量が増えます。
やはり、過度なストレスは溜めないよう、ストレスマネジメントも大事ということです。
また、こうしたライフスタイルの見直しを行っても、なかなか改善されないときは、一度、病院やドラッグストア、薬局などで、医師や薬剤師の指導をあおぐことも大切です。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

Jun 9 2017

医療ライター・山内

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