漢方ビュー通信

梅雨どきでも油断できない、「熱中症」のリスク

梅雨どきでも油断できない、「熱中症」のリスク

平年より“少し暑め”の今年の夏

5月から30度を超える日があり、すでに夏の気配が漂いつつある今日この頃。
熱中症のリスクも、気温とともに上がっているので要注意です。
総務省の調査によると、昨年1年間に熱中症で救急搬送された人数は、約5万人。
一昨年よりも1割ほど減っていますが、それでも多くの人が体調を崩されていることに変わりありません。
また、年齢では高齢者が最も多かったものの、成人(18歳以上65歳未満)もかなり多くの方が搬送されていて、大人でも侮れないということがうかがえます。
日本気象協会の発表によると、今年6月~8月の気温は全国的に見て平年より高め。
なかでも、山梨県、京都府、山口県、九州地方は、6月の熱中症の指数は「警戒」レベルになっているので、要注意です。
命にも関わることもありますので、しっかり対策をとりたいところです。

カラダが暑さに慣れていないと…

雨が続いて気温が下がっていても、梅雨の晴れ間には急激に気温が上がります。

熱中症というと――夏真っ盛りの暑い時期にかかるもの。
そう思っている方も多いと思いますが、じつはその時期だけがリスクではありません。
なんと、これからの梅雨のシーズンも、要注意なんです。
雨が続いて気温が下がっていても、梅雨の晴れ間には急激に気温が上がります。
貴重な晴れの日は、ため込んでしまった洗濯をして、布団も干して、子どもと外で遊んで…など、あれこれやりたくなるもの。
しかし、雨の日と晴れの日の気温差は大きく、暑さにカラダが慣れていないこともあって、気温がそれほど高くなくても、熱中症を起こしやすいのです。
さらに湿度が高く、汗をかきにくい環境も、熱中症のリスクとなります。

喉が渇いていなくても「水分補給」がキホン

喉が渇いていなくても「水分補給」がキホン

梅雨の季節もしっかり熱中症対策を。以下の対策をとって予防に務めましょう。

熱中症予防

  • 喉が渇いていなくても、こまめに水分補給をする
  • 大量に汗をかいたときは塩分補給もお忘れなく
    ※医師から塩分の制限をされている方は、この限りではありません
  • エアコンや扇風機で室温を下げる
  • 睡眠をしっかりとって、体調を整える
  • 衣類は麻や綿など通気性の良い生地、吸水性や速乾性に優れた素材を

なお、部屋の温度や湿度の設定については、日本気象協会「冷房指数」が参考になります。

こんな症状があったらすぐに医療機関へ

こうした対策をとっていても、かかってしまう熱中症。
代表的な症状は、めまい、カラダのほてり、筋肉痛、こむら返り、倦怠感、吐き気、頭痛など。
これらの症状が見られたら、すぐに涼しい場所に移動して、カラダを冷やしましょう。
また、塩分や水分の補給も必要ですが、吐き気やおう吐があったときは誤嚥(ごえん)の危険性があるので、水分補給は控えましょう。
同時に医療機関に連絡をするか、救急車を呼ぶことも忘れずに。
最近は、屋内、室内でも熱中症が起こることが指摘されています。
ときには命にも関わる熱中症。あなどらないで、しっかり対策をとっていきましょう。

こちらも参考に!

熱中症ゼロへ
https://www.netsuzero.jp/

総務省
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h28/10/281012_houdou_2.pdf

日本気象協会
http://www.tenki.jp/suppl/m_nakamura/2016/07/20/14001.html

冷房指数
https://tenki.jp/indexes/reibo/

Jun 23 2017

医療ライター・山内

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