漢方ビュー通信

年齢で変わる?月経痛の原因って

年齢で変わる?月経痛の原因って

成人女性の4人に1人が訴える、あの痛み

成人女性の4人に1人が抱えている「月経痛」。
個人差はありますが、あの鈍痛やお腹の張り、本当に憂うつになりますよね。
じつはこの月経痛、一般的には、若い年齢の女性ほど痛みが強く現れ、年齢を重ねるにつれて痛みは治まってくるそう。
これは、若いときほど女性ホルモンの働きが活発で排卵がきちんとあるためで、個人差はありますが、月経周期が安定してくるとともに、落ち着いてくるようです。

若い頃に多いのは「機能性」が問題の痛み

さて、この月経痛ですが、若い頃と同じ原因で起こっていると思っていませんか?
「いつもの月経痛」と思っていたら、じつは原因が変わっていた――ということもあるので、注意が必要です。
10代、20代に多いのは、「機能性の月経痛」や「機能性の月経困難症」。
これらは、子宮や卵巣などに病気がないけれども、月経に伴って痛みが出るというもの。子宮の発育が未熟なために起こるとされていて、月経への不安や緊張といったメンタル的な要因も影響しているようです。
一方、30代、40代になってもまだ強い痛みが残っているようだったら、それは「子宮内膜症」「子宮筋腫」「子宮腺筋症」などの病気の可能性があります。

30代になったら気を付けたい月経痛3大要因

30代になったら気を付けたい月経痛3大要因

子宮内膜症」とは、妊娠したときに胎児のベッドになる子宮内膜の組織が、何らかの理由で骨盤内や卵巣などで増殖してしまう病気。内膜が剥がれるときに痛み物質が多量に作られるため、月経痛がひどくなる傾向にあります。
子宮筋腫」とは、子宮内にできた良性の腫瘍。
顕微鏡で見ないと分からないサイズから、数キログラムに及ぶものまで、大きさはいろいろです。筋腫という異物を排除しようとすることから、子宮の収縮が強まりやすく、それで痛みをもたらすのだそうです。
子宮腺筋症」は、子宮の壁の中で内膜組織が増殖する病気で、やはり痛みが出ることが多い病気です。

定期的に婦人科で子宮の健康をチェック

定期的に婦人科で子宮の健康をチェック

若い頃に婦人科で「機能性の月経痛」と診断されたから大丈夫。そう安心するのはちょっと待って。年齢とともに、機能性の痛みから、先に挙げた病気が原因で起こる「器質性の月経痛」に変わっている可能性もあります。
痛み方がちょっと強くなってきた、月経量が増えた…そんな症状に心当たりがあったら、もしかして“痛みの原因”が変わってきているのかもしれません。
痛みだけでなく、不妊症の原因にもなるこれらの病気。定期的に婦人科を受診して、子宮の健康状態をチェックしておくことが大事です。
自分のカラダのことをしっかり理解するためにも、婦人科医とうまく付き合っていくことが、大切なのかもしれないですね。

こちらも参考に!

日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5909-454.pdf

Jul 7 2017

医療ライター・山内

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