

漢方薬は数千年という長い年月をかけておこなわれた治療経験により、その効果や安全性が裏付けられた薬です。薬効成分のある植物や鉱物などの生薬を組み合わせているため、1剤の漢方薬でさまざまな不調や症状をとることができるという特徴があります。最近では科学的な根拠に基づいた漢方薬の有効性も確認されています。一方、ハーブや古来から伝わる民間薬は、先人から受け継がれてきた生活の知恵で、健康増進に使われることがあっても、医学的に認められているわけではありません。またサプリメントは栄養補助食品という名前のとおり、あくまでも食品の一つです。

漢方薬は1剤で多様な症状に効く、慢性疾患にも対応できるなど、西洋薬では対応しにくい病気や症状にも有効という認識が医師の間で広まってきました。そのため、ふだんの診療でも漢方薬を使うケースがよくあります。また漢方外来、漢方クリニックなど漢方薬を中心にした治療を行う場を設ける医療機関も増えています。それと同時に西洋薬と同じ位置付けとして、有効性について科学的な研究も進んでいます。
日経メディカル2003年10月号別冊付録漢方薬使用実態調査では、医師の7割が漢方薬を使用していることが明らかになりました。

最近の医学界では、有効な治療かどうかを証明する目安として、EBM(Evidence Based Medicine)が用いられるようになりました。これは臨床試験によって効き目や副作用の有効性、安全性を調査するもので、西洋薬ではすでにこういった調査が進められてきました。漢方薬は「証」という独特の診察方法があるため、医師の経験に準じるところが大きく、EBMで論じるのは難しいとされてきましたが、最近では、漢方薬も西洋薬と同様、EBMの評価が必要との声が高まり、EBMに基づく調査・研究が始まりました。

漢方薬は、いくつもの生薬が組み合さってできています。そのため1剤で複数の症状をとることができます。また、慢性疾患や全身にわたる病気などにも効果があります。
病気や体調不良が続くと体の抵抗力が落ち、別の病気にかかったり、病気が悪化したりします。漢方薬は体の抵抗力を付けて、病気に負けない体を作ります。
漢方薬は、ひとりひとりの体質や状況を考慮して処方されるテーラーメイドの薬です。したがって同じ症状・病気でも同じ薬が処方されるとは限りません。
漢方薬は西洋薬と違い、自然の生薬をもとにして作られています。効き目がマイルドで副作用が少ないというイメージはここからきているといえるでしょう。
慢性疾患に効くというイメージの漢方薬ですが、なかにはかぜのときに飲む葛根湯(かっこんとう)のように、飲んだらすぐに効く処方もあります。