
薬局の漢方薬と処方薬とは違うの?
漢方薬と民間薬は同じ?
共通する植物などを使っていますが、まったく別のものです。
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漢方薬は1800年も昔に中国で編集された『傷寒論(しょうかんろん)』など成書に基づいて作られた薬です。薬効成分のある植物や鉱物などを組み合わせてできているうえ、長い年月をかけておこなわれた多くの治療経験によって、その効果が裏付けられています。
一方、民間薬は先人の知恵によって受け継がれてきた治療法です。漢方薬のように植物や鉱物などを組み合わせて使うことはほとんどありませんし、実際に科学的な根拠に基づいているわけでもありません。薬と名前が付いているものの、その効果は疑問を残すところといえるでしょう。
こうしたことから、漢方薬と民間薬では共通する植物や鉱物を使うことがあっても、その考え方やルーツ、医学における立場がまったく違うものだといえます。
中国の漢方薬は日本の漢方薬と一緒?
中国には漢方薬はありません。漢方薬は日本独自の医学です。
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中国の漢方薬は、正式には「中薬」といい、中医学という考えに基づいています。日本の漢方薬も原点は中国ですが、日本に伝わってからは独自の発展を遂げて、今に至っています。そのため中国と日本とでは、漢方薬に対する考え方や病気のとらえ方、診察の方法などに違いがあります。同じ名前の処方もありますが、その内容や配合比率などは同じとは限りません。
また、中国など海外で買ったり、お土産としてもらったりした「漢方」という名前が付いた商品のなかには、漢方医学や中医学に基づいていないものも多く、日本では禁止されている成分が入っていたり、生薬(漢方の原料)以外の成分が入っていることもあります。安易に利用すると体調を崩したり、予期せぬ症状などが出たりするので、こうしたものを使うときは、事前に医師や薬剤師に相談した方がいいでしょう。
漢方薬にも副作用があるの?
漢方薬と西洋薬を一緒に飲んでも平気?
お互いの長所を生かし、一緒に飲むこともあります。
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西洋薬は痛みや熱をとる、血管を広げる、かゆみをとるというように、比較的、一つの症状や病態を改善するために用いることが多い薬です。一方、漢方薬はいくつもの症状を改善するために用いることが多い薬です。
このように、西洋薬と漢方薬ではそれぞれ長所があり、治療ではお互いを生かした使い方をすることが少なくありません。たとえば糖尿病では、血糖値を下げるために西洋薬を使い、糖尿病によるさまざまな合併症や不快症状をとるために漢方薬を使うということがあります。ただし、肝臓病に使うインターフェロンと小柴胡湯の併用のように、併用が禁止されているケースもありますので医師や薬剤師の指示に従ってください。
アレルギー体質でも飲めますか?
漢方薬でアレルギー反応が出ることもありますが、病院で処方してもらっている限り、心配はいりません。
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アレルギーとは体の過剰な免疫反応のことで、体に侵入した成分や物質を異物と見なし、体外へ排除しようとしたときに起こります。このアレルギー反応が薬剤で起こることがあり、これを「薬物アレルギー」と言います。
漢方薬に限らず、どんな薬剤でも「薬物アレルギー」を起こす危険性はありますが、漢方薬のなかでは次のものが起きやすいとされています。
薬物アレルギーは原因となる薬の服用を止めればすぐに改善しますし、病院で漢方薬を処方するときは薬物アレルギーなどがないか定期的に検査を行うので、薬物アレルギーが起きやすい漢方薬を服用していても、心配はいりません。
ただ、一度、薬物アレルギーが起きた薬は、その後もアレルギー反応が起きやすいことから、別の病院や医師に漢方薬を処方してもらうときは、どの薬で薬物アレルギーが起きたか、きちんと伝えることが大切です。
効きが遅いという印象がありますが。
漢方薬には葛根湯(かっこんとう)のように即効性があるものもあります。
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漢方薬は効果がゆっくりと現れるというイメージがありますが、一概にそうとは言えず、即効性のある漢方薬もあります。
即効性のある漢方薬の代表選手は、風邪のときによく処方される葛根湯ですが、そのほかこむら返りのときに処方される芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)、のどの渇きとむくみがあって、尿が出にくいときに処方される五苓散(ごれいさん)や柴苓湯(さいれいとう)、月経痛のときやアレルギー性鼻炎のときに処方される漢方薬なども即効性があり、体質や症状に合っていれば、服用後、10〜30分ほどで効いてくることもあります。
一方、ゆっくりと効き目が現れる漢方薬でも、体質や症状に合っていれば、飲み始めて2〜4週間ぐらいで症状が少し改善されたり、主症状以外の症状がとれてきたりするなど、体に何らかの変化が出てくることが多いようです。この時点で何も変わらない場合、別の漢方薬の方が適している可能性があるので、一度、担当医に相談してみるといいでしょう。
漢方薬は飲み続けなければならない?
妊娠中や授乳中に飲んでも大丈夫?
子どもに漢方薬を飲ませてもよい?
漢方薬は子どもにも処方されています。ただ自分判断で飲ませるのは危険ですので、止めましょう。
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漢方薬は子どもにも処方されています。とくにアトピー性皮膚炎や小児喘息などのアレルギー、風邪、夜泣きや疳(かん)の虫などで有効です。もちろん飲む量は大人より少なく、0歳児では大人量の5〜6分の1、3歳時では3分の1、小学生は3分の2、中学生は大人と同量というのが目安になっています。
漢方薬の味が苦手という子どもには、甘いシロップや砂糖と混ぜたり、オブラートに包んだりするなどの工夫をするといいでしょう(ただし漢方薬を溶かしたミルクを飲ませると、ミルクそのものも飲まなくなってしまうことがあるので、ご注意を)。授乳中の赤ちゃんでは、お母さんが赤ちゃんのための漢方薬を飲み、その成分を含んでいる母乳を赤ちゃんが飲むという方法をとることもあります。
また、夜泣きが激しい子どもでは、お母さんもヒステリックになっているケースが往々にして見られます。そのときは「母子同服」と言って、お母さんと子供が同じ漢方薬を飲むことで母子の症状が改善される場合もあります。
ただし、自己判断で漢方薬を選んで子どもに飲ませるのは危険です。やはり病院で処方されたものを飲ませるようにしましょう。
漢方薬は白湯(さゆ)で溶かして飲むもの?
お茶やジュースと飲んでもいいですか?
漢方薬はなぜ食前に飲むことが多いの?
薬の吸収率を高めるためですが、食後に飲んでもかまいません。
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服用のタイミングには、食前(食事の30分以上前)、食後、食間(食後2〜3時間後)があり、吸収の状態、効果、安全性などを考慮して決められています。漢方薬の場合、吸収率を高めるために、とくに指示がないときは食前か食間に飲みます。
空腹時に漢方薬を飲むと、食べものの影響を受けないで小腸まで届き、腸内細菌によって吸収されやすい状態に変えられます。そのため効果的に薬の効果を発揮することができるのです。また、附子(ぶし)や麻黄(まおう)のように作用が強い生薬も、胃酸によって吸収が抑えられるため、おだやかに効かせることができます。
なかには空腹時に飲むと気分が悪くなってしまう人、味や香りが苦手な人もいるでしょう。その場合は、食後に飲んでもかまいませんが、まずは医師に相談してみるとよいでしょう。
煎じ薬とエキス剤は違うの?
煎じ薬を飲みやすく、使いやすい形にしたのがエキス剤です。
煎じ薬とは漢方薬の構成生薬を煮つめたもの。煎じ薬の場合、においが強いのでエキス剤より効きそうな気がしますが、煎じるのに手間暇がかかりますし、独特のにおいにより気分が悪くなったりしてしまうこともあります。また人の手で煮つめていくので、濃度にばらつきがでてしまいます。
こうした不自由な面を改善し、煎じ薬を独自の手法で乾燥させて飲みやすい形にしたものがエキス剤です。つまり煎じ薬とエキス剤は同じ成分です。エキス剤の場合は、におい、手間暇、持ち運びの不便さなどはありません。濃度も一定で安定しています。医療用漢方製剤として医療現場で使われるようになったのも、こうしたエキス剤が登場したためといえます。

飲み忘れたときはどうすればいい?
漢方薬と西洋薬はどちらが効くの?
両者を比較することはできません。それぞれに持ち味があります。

西洋薬は一つの症状をとるために病態などを研究して作られた薬です。熱を下げる、痛みをとる、ホルモンの分泌をうながす、血管を拡張させるなど、一つの症状に対しての効果を求めています(対症療法)。一方、漢方薬は複数の生薬を用いているため、それらが相乗的に体に作用し、病気を治す力を高めていきます。そのため一つひとつの作用はおだやかであっても、いくつかの症状をまとめて解消していくことができます。
このように西洋薬と漢方薬には、それぞれ得意とする分野や病気があり、最近はお互いの持ち味をうまく利用して、西洋薬と漢方薬を併用しながら病気を治していくケースも増えています。
漢方薬は高価なイメージがあります。
「漢方薬を飲みたい」と医師に言える?
漢方の材料となる生薬のなかには、「ゾウの化石」もあるって本当?
「お通じをよくする」と言われる「センナ」は漢方薬の一種?
センナは民間薬に含まれるもので、生薬や漢方薬ではありません。
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センナとはマメ科の植物で、果実や葉は医薬品として利用されています(厚生労働省の基準より)。こうしたことからセンナは漢方薬だと思われがちですが、実はそれは誤解で、民間薬の一つなのです。両者の違いはホームページ【漢方 Q&A】でもふれていますが、漢方薬とは「薬効のある植物や鉱物など(生薬)を組み合わせたもので、効果と安全性が裏付けられているもの」であり、民間薬は「単独で使用し、効果や安全性の検証が行われていないもの」。このように世間には漢方薬と間違えられる民間薬がたくさん出回っています。
※【漢方 Q&A02】で漢方薬と民間薬の違いについて掲載しています。
同じ生薬でも違う名前がついているって本当ですか?
ダイエットができる漢方薬はありますか?
漢方薬を日本に持ち込んだのは誰ですか?
漢方薬のエキス顆粒剤はどうやって作られるの?
大学で漢方を学んでいるって本当ですか?
漢方薬はお湯に溶かして飲んでもいいですか?
漢方薬に即効性はないの?
お腹を触る「腹診」ですが、何を診るの?
漢方薬の服用は食間に」の食間とはいつのことですか?
食事と食事の間のことで、一般的には「食後2〜3時間後」を指します。
食間とは食事と食事の間のことで、一般的には「食後2〜3時間後」を指します。ちなみに食前とは食事を始める30分以上前です。いずれも空腹時にあたります。漢方薬をこれらのタイミングで服用するのがよい理由としては、
1.漢方薬を速やかに腸に送ることで吸収が高まる。
2.計算された生薬のバランスを他の食品によって崩すことがない。
3.強い作用は胃酸によってマイルドになり、穏やかに作用させることができる。などが挙げられます。
ただ食間や食前に飲み忘れてしまう人、空腹時に飲むと気分が悪くなってしまう人は、食後の服用に変えられるか担当の医師に相談してみるといいでしょう。

開腹手術のあとに漢方薬が使われることがあるって本当ですか?
授乳中の赤ちゃんに漢方薬を飲ませる方法はありますか?
お母さんのおっぱい経由で漢方薬を飲ませる方法があります。
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赤ちゃんの夜鳴きや疳(かん)の虫に対して、漢方薬を用いて治療をすることがあります。その場合、赤ちゃんに直接、漢方薬を飲ませるという方法をとることもありますが、お母さんがまずその漢方薬を飲み、薬の成分を含んだ母乳を赤ちゃんにふくませるという方法をとることもあります。
これには赤ちゃんの症状を改善させるだけでなく、夜泣きなどによってイライラしがちなお母さんの状態を改善させるという側面も。
このように、お母さんと赤ちゃんが一緒の漢方薬を飲むことを「子母同服」と言い、母と子に一体感が生まれることから、親子の絆がいっそう深まるというメリットもあります。
「六味丸(ろくみがん)」、「六君子湯(りっくんしとう)」という漢方薬は
漢方には「溜まったものを排出する」治療があるって本当?
日本全国の大学病院に「漢方外来」ってどれくらいあるの?
日本独自の医学「漢方」っていつからあるの?
中国から伝来し、日本独自の発展を遂げた医学を「漢方」と呼ぶようになったのは江戸時代からです。
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鑑真和尚によって持ち込まれた中国医学は、日本で独自の発展を遂げ、新しい医学としてできあがりました。当時は医学と言えば、中国由来のものであり、とくに呼び名はついていなかったと思われます。
「漢方」という名で呼ばれるようになったのは、江戸時代になってから。オランダから伝わった西洋医学をオランダ(阿蘭陀)の蘭をとって「蘭方」と呼ぶようになったため、それまでに日本で定着していた医学を「漢方(漢民族の”漢”に由来)」と呼んで区別するようになったのです。
「漢方を知ろう」で漢方の歴史について掲載しています。
歯の痛みに使われている漢方薬があるって本当ですか?