紫外線は3種類!適した日焼け止めクリームで対策を

紫外線が強くなる時期は、日焼け対策も手が抜けなくなります。
日焼けの対策としてよく使用されるのは、「日焼け止めクリーム」。
この日焼け止めクリームには、アルファベットや数字、記号(+)などの表記がありますが、その意味をしっかり理解されていますでしょうか。
今回は薬剤師である筆者が、紫外線の種類と日焼け止めクリームの選び方について解説します。
紫外線の種類

UVとかUVカットとか、よく耳にしませんか。UVとはすなわち「紫外線」のことです。
紫外線には、A波(UVA)、B波(UVB)、C波(UVC)の3種類が存在し、波長が短いほどエネルギーは強いとされています。
まず、紫外線A波(UVA)ですが、オゾン層や雲、窓ガラスまでも通り抜けることができてしまうため、気がつかないうちに日焼けしてしまうので注意が必要です。
さらに、A波は皮膚の深部まで到達するため、コラーゲンを変性させてしまい、シワやたるみなど皮膚の老化の原因となってしまいます。
厄介なことに、このA波は日焼けのような見た目の変化がほとんどないので、冬や曇りの日など日差しを感じない時に、対策を忘れてしまうことが多いようです。
紫外線B波(UVB)は波長が短いため、皮膚に当たり過ぎると、赤くなったり水ぶくれを引き起こしてしまいます。また、シミやそばかす、皮膚がんや白内障の原因となることもあります。
ただ、波長が短いことから、地上へ届くB波は1割程度にまで減ると言われています。
紫外線C波(UVC)は、通常オゾン層によってほとんど吸収されるため、地上には届きにくいとされていましたが、近年のオゾン層破壊によって地上まで届いてしまうことが心配されています。
日焼け止めクリームの表示について

日焼け止めは紫外線A波(UVA)と紫外線B波(UVB)をカットするものです。
日焼け止めクリームには、「SPF」や「PA」などふだんあまり目にしない表記がありますよね。
次に、これらの表記の意味について解説します。
<SPFについて>
紫外線に当たって日焼けをするまでに個人差はありますが、だいたい15分から30分くらいの時間を要すると言われています。
SPFとは、サンプロテクションファクター(Sun Protection Factor)の略で、主に紫外線B波の防止効果を表す数値で、日焼けに要する時間を遅らせることのできる目安となります。
例えば、日焼けをするまでに20分かかる方がいて、SPF50の日焼け止めクリームを使用したとします。
この時、20分×50の1000分間(16時間40分間)が、日焼けを遅らせることのできる時間となります。
すなわち、数字が大きいほど効果が高いのですが、残念ながら100%紫外線を防げるわけではありません。
<PAについて>
PAとは、プロテクショングレイドオブUVA(Protection Grade of UVA)の略で、主に紫外線A波(UVA)のブロック効果を表す数値で、「+」の数で強度(4段階)を表しています。
A波は、前述のように、皮膚の深部まで届きシワやたるみなど老化の原因となる波長です。日焼けを感じなくとも一年中降り注ぐ紫外線なので、常に注意する必要があります。
過剰に紫外線を浴びることは、肌が焼けたり皮が剥けるだけでなく、皮膚の老化や皮膚がん、白内障にまで繋がってしまう恐れがあります。
紫外線の知識を身につけ、自分に合った日焼け止めクリームを選びながら、日頃の対策やケアを心がけましょうね。
薬剤師・大久保 愛