痩せたい人必見!減らすべき脂肪と増やすべき脂肪
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秋から冬にかけては、寒さのせいで運動不足になるだけでなく、イベントもたくさん重なり太りやすい季節です。
今年こそは、体型をキープしたいと思っている人は多いでしょう。
体重管理で一番気になるのは「脂肪」です。
しかし、すべての脂肪がカラダを太らせる原因となるものではありません。
というのも、この脂肪にはいくつか種類があり、エネルギーとして蓄えるものや、燃焼してエネルギーを作り出すものなどがあるのです。
今回は薬剤師である筆者が、減らすべき脂肪と増やすべき脂肪について解説します。
脂肪の種類の特徴と対策
脂肪は、3種類の脂肪細胞に分けることができます。そして、それぞれエネルギーを蓄えるものと消費する役割のものがあります。
つまり、エネルギーを蓄えてしまう脂肪を減らし、エネルギーを消費してくれる脂肪を増やすことで効率的なダイエット、もしくは体型維持ができると考えられます。
それでは、さっそく脂肪細胞について解説していきますので、それぞれの脂肪細胞の特徴を理解し、増やすべき脂肪、減らすべき脂肪の対策を取れるようにしましょう。
![脂肪の種類の特徴と対策](https://www.kampo-view.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/shibou_02.jpg)
褐色脂肪細胞
<特徴>
褐色脂肪細胞は、多包性脂肪細胞とも呼ばれる“代謝型の脂肪”です。
ミトコンドリアや毛細血管が多く存在しているため褐色をしています。
褐色脂肪細胞の働きは、脂肪を燃焼して熱を産生し、体温を維持することなどです。
肩甲骨の周りや首の後ろ、心臓の大動脈の周り、腎臓の周りに多く存在し、年齢とともに減少していく特徴があります。
<対策>
褐色脂肪細胞を活性化する栄養素としては、オメガ3脂肪酸やポリフェノールなどが挙げられますので、それらを多く含む食材を摂るように心がけましょう。
また、肩甲骨周りを動かす運動や有酸素運動も取り入れるとさらに良いでしょう。
白色脂肪細胞
<特徴>
白色脂肪細胞は、単包性脂肪細胞とも呼ばれる“貯蔵型の脂肪”です。
過剰に食べた糖質や脂質をエネルギーとして脂肪に蓄え、お尻、下腹部、二の腕、太もも、内臓の周りなどに多く存在します。
熱産生を行わない脂肪で、皮下脂肪や内臓脂肪が挙げられます。
それぞれ、皮下脂肪はつまむことのできる太ももや腰回りやお尻についている脂肪で、内臓脂肪は内臓の周りについている脂肪です。
どちらも一度つくとなかなかとれません。さらに、内臓脂肪が多い場合には満腹中枢が鈍くなり、食べ過ぎると余計に太りやすくなってしまいます。
<対策>
脂の多い食事やお酒は、脂肪を蓄えやすいカラダにしてしまうので、なるべく控えるようにしましょう。
また、睡眠不足は食欲を抑えるホルモンが減り、さらに食欲を増すとも考えられています。質の良い睡眠を心がけましょう。
ベージュ脂肪細胞
<特徴>
ベージュ脂肪細胞は、ブライト脂肪細胞とも呼ばれる“代謝型の脂肪”です。
寒さの刺激が続くと、熱産生に関わる遺伝子が増え、太る原因となっていた白色脂肪細胞がベージュ脂肪細胞に変化すると言われています。これは、寒さでアドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、交感神経が優位になるからと考えられています。
この脂肪は年齢とともに減るものではなく、後天的に増えるものです。
<対策>
唐辛子や黒胡椒などの香辛料、生姜やシナモン、そして青魚(DHA、EPA)などがベージュ脂肪細胞を刺激すると言われています。また、少し寒いと感じる環境での軽い運動もオススメです。
肥満症改善に漢方薬が
![漢方入門!漢方薬の名前に隠された秘密を解説](https://www.kampo-view.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/kampo_00.jpg)
「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」という漢方薬をご存知ですか?
この防風通聖散は通常、体力が充実して腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人の高血圧に伴う症状(どうき、肩こり、のぼせ、むくみ、便秘)、肥満症の治療などにも使用されます。この漢方薬が肥満症改善にも処方されることがあります。
防風通聖散は、前述した脂肪の燃焼作用がある褐色脂肪細胞を活性化させる働きがあるとされ、また脂質の吸収を抑制したり、便と一緒に脂質を押し出す作用があります。
しかし、心得ておかなければいけないことは、防風通聖散を服用するだけで痩せることはないということです。
肥満症改善の基本となるのは“食事”と“適度な運動”です。防風通聖散はあくまでそのサポート的役割だと考えてください。
なお、防風通聖散は漢方薬、すなわち医薬品となりますので、興味がある人は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。
いかがでしたか?
増やすべき脂肪細胞は褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞、減らすべき脂肪細胞は白色脂肪細胞となります。
しかし、褐色脂肪細胞は、年齢とともに減少していくので、同じ作用を持つベージュ脂肪細胞を増やすことが大事です。
今回解説した食品や運動で、白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に変える方法を実践してみましょう。同様に、白色脂肪細胞は生活の改善で減らすことも忘れずに。
そして、肥満症改善策として漢方薬の力に頼ることも選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。
それぞれに合った対策をとって、体型キープに役立ててみてくださいね。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
参照
ツムラ漢方防風通聖散エキス顆粒顆粒(OTC)
https://www.tsumura.co.jp/products/ippan/043/index_s.html
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛