漢方ビュー通信

ピリピリ痛い湿疹…もしかして「帯状疱疹」かも!?

寒い季節は、体調を崩しやすくカラダの免疫力が低下しやすい時期です。
このときに、注意したい病気のひとつに「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」があります。

最初はカラダがピリピリと痛みを感じ、そして湿疹がだんだん帯状に広がっていきます。
また、帯状疱疹は、初期の段階では虫刺されや他の皮膚疾患と間違いやすく、そのまま放置していると重症化してしまう病気です。

今回は、薬剤師である筆者が、他の症状と間違えやすい帯状疱疹の特徴や対処法について解説します。

帯状疱疹の特徴を理解しましょう

帯状疱疹は、水疱瘡(みずぼうそう)のウイルスが原因で発症する湿疹のことです。
このウイルスに初めて感染すると、水疱瘡として発症し、その後三叉神経、脊髄神経、坐骨神経などの神経節に潜伏します。

水疱瘡そのものは、子供(乳幼児から10歳以下)の約90%がかかる感染症とされているため、多くの成人が水疱瘡のウイルスを保有しているといえます。
若いとき、つまり健康で免疫力が比較的強いときは、ウイルスの活動を抑えることができていますが、歳を重ねていくとストレス疲労生活習慣病などによりウイルスが再活動を始めてしまい、帯状疱疹として発症するのです。

症状としては、個人差はありますが、初期のうちはチクチク、ピリピリとした痛みを感じることが多く、必ずしも皮膚に変化が出ることはありません。
しかし、しばらくすると赤みを帯びた湿疹水ぶくれを伴ってきます。その間も痛みは続き、軽い痛みで済む人と、眠れないほどの強い痛みを感じる人などさまざまです。

一般的に、1カ月程度で症状は治まるとされていますが、発見が遅れるとさらに長引き、痛みが数年続くこともあります。特に、初期の段階で虫刺されやかぶれと勘違いして、対処が遅くなってしまうケースが多いようですので注意が必要です。

異変を感じた場合には、早めに専門の医療機関や皮膚科の受診をしましょう。

理想の対処は3日以内

だるさや病気とは言えない不調への対策は漢方薬がオススメ

帯状疱疹の症状が出た場合の対応は、早めに医師に処方された抗ウイルス薬を服用することです。理想は、発症後3日以内といわれており、薬を服用してから約2日程度で効果が出始めます。

しかし、中には抗ウイルス薬でもなかなか改善しないという人もいます。
そのようなとき、選択肢のひとつとして「漢方薬」があります。
漢方医学では、「血(けつ)」の不調、つまり「瘀血(おけつ)」という血行循環が悪い状態を原因として考えます。

帯状疱疹は抵抗力が低下しているときに発症しやすいとされていますので、血行循環改善や体力回復を促すような処方が望ましいと考えられます。
もし、漢方薬の服用を検討したい場合は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみましょう。

他にも、痛みが増す要因に、患部の冷えによる血行不良があります。患部を冷やさないように気をつけ、シャワーやカイロなどで温めることも大切です。

帯状疱疹は、他の人に同じように感染することはありません。
しかし、帯状疱疹の人から、水疱瘡にかかったことのない乳幼児などに、水疱瘡として感染してしまう場合があるので注意しましょう。

いずれにせよ、帯状疱疹はカラダの抵抗力が下がった時に発症しやすいとされていますので、それをカラダからのサインと受け止め、ゆっくり休むことが大事です。

帯状疱疹は再発する?

帯状疱疹が治った直後は、ウイルスに対して免疫がついているため再発することはありません。しかし数年後、その免疫が低下すると再発することがあります。
一度患ったからといって、帯状疱疹の可能性を否定せずに症状が怪しい時には気をつけるようにしましょう。

帯状疱疹は、悪化すると後遺症として帯状疱疹後神経痛を引き起こしてしまうことがあります。なるべく早めの対処を心がけましょう。

また、ストレスや疲労を感じた時には、漢方薬などを活用して体調管理を行う意識づけが大切です。日頃から免疫力を高めるように、メンテナンスをしていきましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

Feb 12 2019

薬剤師・大久保 愛

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