食後の眠気がツラい…食事と漢方薬で対策!
ランチの後は、決まって眠くなる──
じつは、食後の眠気は、人間なら誰しもが普通に起こる生理現象なのです。でも、その症状があまりにもひどく、仕事や家事のパフォーマンス低下につながっていると問題です。
食事の後に眠くなるのは、きちんとした理由がありますが、怖い病気が潜んでいることも考えられます。
今回は、薬剤師である筆者が、食後の眠気をなるべく抑える対策や注意点を解説します。
食後の眠気、代表的原因2つ
1つ目の原因
食後は、カラダが消化活動を行うため、内臓の方へ血流が増加します。すると、他の部分で血流量が低下することになります。
この現象は、健康な人や適度な食事を摂れている人にとって自然のことです。
しかし、消化に負担がかかるものや食事量そのものが多い人、もともと低血圧や貧血気味である人などは、血流量の低下が脳にまでおよび、眠気を感じることがあります。
食後の眠気に悩む人は、食べ過ぎや早食い、油物などには気をつけるようにしましょう。
また、貧血気味の人は、動物性の食材からタンパク質と鉄分を意識して摂るようにしましょう。
2つ目の原因
糖質が多い食事…例えば麺類や丼もの、パンなどを多く食べる人は、血糖値の急上昇を起こすことがあります。すると、防御反応としてカラダが血糖値を下げようとして働き、一時的に低血糖状態となります。その時に、急激な眠気を催します。
食後の眠気に悩む人は、糖質だけではなく、タンパク質、食物繊維なども一緒に摂ることを心がけましょう。
その他にも、食後の眠気は、ナルコレプシー、月経関連過眠症、睡眠時無呼吸症候群、薬物性過眠、うつ病などさまざまな可能性が考えられます。
食事に気をつけているにも関わらず、ひどい眠気に襲われる場合は、一度医療機関に相談したほうがよいでしょう。
食後の眠気対策に漢方を!
漢方医学から見る食後の眠気は、「気(き)」の不足によるものと考えられています。
精力的に活動を続けるには、「気」が必要です。しかし、食後はその「気」を使って消化活動を行うため、もともと「気」が不足している人は眠気を感じやすくなってしまうのです。
これに対し、漢方薬の中には消化を助け、さらに「気」を補うことができるものもあります。また、前述した貧血に対して、役立つ漢方薬もあります。
このように、病気とまではいかないカラダの不調には、漢方薬がオススメです。
食後の眠気で悩んでいる人は、漢方薬という選択肢も頭に入れておくとよいでしょう。
食後は、誰しもが少なからず眠気を感じるものです。
しかし、症状があまりにもひどく、生活にまで影響が出るようであれば、何かしらの対策を行うべきでしょう。
日々の睡眠をしっかり取ることは大前提ですが、眠気対策のカフェイン入りドリンクやコーヒーだけに頼らず、食事の内容を改善すること、そして漢方薬を活用するなどして、健康的な対策をしてみてはいかがでしょうか。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛