知っているようで知らないうつ病について
今年のゴールデンウィークは、超大型の10連休!
普段できない海外旅行や、家族サービス、イベントに参加するなど、さまざまな計画をしている人も多いのではないでしょうか。
ところが、そんな楽しいはずのゴールデンウィークの時期に、逆に心が沈んでしまう人もいます。新生活の疲れがドッときたり、やることがなくだらだら過ごすことで、五月病やうつに陥ってしまうケースも少なくありません。
今回は薬剤師である筆者が、そんなときの対処法について解説します。
うつ病の症状はカラダとココロに現れる
一般的に、うつ病は真面目で几帳面、環境の変化に対応することが苦手な人に発症しやすい傾向があります。そして、その症状はそれぞれカラダとココロに現れます。
カラダの症状には、寝つきが悪くなる、朝方に目が覚める、食欲が落ちる、下痢や便秘、動悸・息切れを起こすなどがあります。
ココロの症状には、落ち込む、涙が出る、無気力になる、自己否定がひどくなる、楽しいことに興味がなくなったりするなどがあります。
うつ病の治療方法は・・・
うつ病の治療には、「薬物療法」と「休息」があります。
まず、薬の服用ですが、脳の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンに関わる「抗うつ剤」の使用が多いとされます。
個人差はありますが、少容量の投薬から始めて1〜2週間程度で効果を実感できるそうです。
しかし、気になるのが副作用。
これにも個人差はありますが、効果を感じるまでの不安定な時期に合わせて飲むケースが多く、副作用が強く出る場合には、その状態を緩和する薬や安定剤や睡眠導入剤などを併用することが多いです。
そして、抗うつ剤の注意点があります。
症状が和らいだからといって服用をすぐに止めることができないということです。
抗うつ剤の服用を止めるまでには、カラダに負担がかからないように、徐々に容量を減らしていく必要があるのです。
したがって、抗うつ剤の服用の開始時と終了時は必ず医師の指示に従う必要があります。
次に、「休息」をとることが大切です。
そもそも休息とは、“ストレスになっていることを避け、心を休ませる” とされています。
人間は、日常生活の中でさまざまなストレスを感じながら生きています。
ところが、明らかに嫌なことをストレスだと感じることはできても、何気ないことがココロにストレスを与えていることもあります。
自分ではなかなか気づきにくい“ストレス”かもしれませんが、定期的にカラダとココロには休息が必要であると認識して休むことが大切です。
うつ対策の手助けに、漢方薬と日光の力を
うつ病は、発症の原因やその仕組みがはっきりと解明されておらず、まだ分からないことの多い病気です。
ただし、その対策で一番重要なことは、“ストレスを溜め過ぎない”ことです。
簡単なようで難しいことですが、その対策の手助けとなる方法を紹介します。
漢方で対策
漢方医学では、うつを「気(き)」の不調による「気虚(ききょ)」の状態と判断します。
漢方薬の中には、自律神経の調節や気を補うことを得意とするものがありますので、それらを服用することで改善の手助けになる場合があります。
また、漢方薬の服用とともに、普段の食生活に気をつけることも大事なことです。
日光で対策
毎朝、日光を浴びることで体内時計が整い、夜になるとリラックスして眠れるようになります。
休日に昼まで寝てしまってリズムを崩す人もいますが、なるべくいつも通りに起床して日光を浴びるようにしましょう。
一番良いのはストレスの原因がなくなることですが、現代人にとっては非常に難しいと思います。
不眠や緊張する日々が長期的に続くと、カラダに不調をきたす可能性が高まります。
ココロの不調は、早い段階で専門家に相談するなどして対策をとるようにしましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛