夏太り解消のために、やるべきこと
夏太りを解消するカギとは?
食欲もないからそんなに食べていないし、汗もたくさんかくのに、体重は増える一方──。
そんな夏太りに困っている人は、「代謝」を見直してみると良いかもしれません。
代謝とは、食べものからエネルギーを得るために行われる化学反応のこと。
大きく、①生命活動に必要な基礎代謝、②カラダを動かすことによって使われる活動代謝、③消化や食事で摂ったものをエネルギーに変えるときに使われる食事誘導性型熱産生の3つにわかれます。
つまり、摂取したエネルギーよりも代謝によるエネルギーが多ければ太りにくく、逆だと太りやすくなるのです。まさに、代謝UPが夏太りを解消する“カギ”といえるでしょう。
代謝UPに必要な栄養①「タンパク質」
代謝のなかで一番のウエイトを占めるのは基礎代謝とされ、10代が最も高く、それ以降は徐々に減っていきます。
この基礎代謝を上げるポイントのひとつは、筋肉を付けること。
そのためには、筋肉の材料となるタンパク質をしっかり摂ることが大事です。
欲をいえば、体内で作ることのできない必須アミノ酸が含まれる、“良質のタンパク質”を積極的に摂りたいところです。
<アミノ酸スコアが高い食品>
牛肉・豚肉・鶏肉・卵・牛乳・アジ・サケ・大豆など
代謝UPに必要な栄養②「ビタミンB群と鉄分」
もうひとつのポイントは、食べものを効率よくエネルギーに変えられるか、です。
体内で食べものをエネルギーに変えるサイクルのことを、「TCA回路」といいます。
そのTCA回路をしっかり機能させるために必要なのは、補酵素です。
補酵素とはエネルギー源となる脂肪や炭水化物(糖質)、タンパク質をエネルギーに変えるのを手伝う成分で、主にビタミンやミネラルがその役目を担っています。
これらが不足すると、せっかく摂ったエネルギー源もエネルギーに変わらず、脂肪としてカラダに蓄えられてしまうのです。
特にこのTCA回路で大事になるのは、ビタミンB群と鉄分です。
<ビタミンB群・鉄分が豊富な食品>
ビタミンB1(糖質の代謝にかかわる):豚肉・うなぎ・豆類・玄米
ビタミンB2(糖質・脂質・タンパク質の代謝にかかわる):レバー・うなぎ・牛乳・納豆
ビタミンB6(タンパク質の代謝にかかわる):マグロ・カツオ・レバー・鶏肉・バナナ
パントテン酸(糖質・脂質・タンパク質の代謝にかかわる):ししゃも・レバー・鶏肉・キノコ類・アボカド・納豆
鉄分:レバー・貝類・大豆製品・小松菜
漢方薬はあくまでサポート役として
漢方薬の中にも、基礎代謝を上げる作用に期待できるものがあります。漢方では一人ひとりの体質を重んじて漢方薬が処方されますので、かかりつけの医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょう。しかし、漢方薬はあくまでサポート役として捉えましょう。
前述したように、夏太りを解消するためには、基礎代謝を上げること…それを実現するためには、筋肉と適切な食材が必要です。大事なのは、日常の生活の中で積極的に食生活の見直しや運動を行い、基礎代謝を上げる生活に取り組んでいくことです。
生活習慣の見直し、運動、そしてそのサポートに漢方薬を活用して、健康的に夏太りを解消していきましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
参照
NIKKEI STYLE「やせない原因、実は4つの栄養不足」
https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK1500E_V11C13A1000000/
ターザン「筋トレで太らない4つの理由」
https://tarzanweb.jp/post-188213
漢方スクエア「第25回 日本肥満学会学術集会」
https://www.kampo-s.jp/book/kkn/041111.htm
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic医療ライター・山内