漢方ビュー通信

一年の初めを気持ちよくスタートするために

一年の初めを気持ちよくスタートするために

誰もが一年のスタートを気持ち良くしたいと考えるもの──しかし、なかなか気分が上がらない、カラダが軽快に動かないなど、今ひとつスッキリとしたスタートが切れていない人はいませんか?

このように自分の気持ちと実際のカラダの調子に“差”があると、ストレスを生む原因になってしまいます。
もしかしたら、これは年末年始の過ごし方が影響しているかもしれません。

今回は、薬剤師である筆者が、今からでも遅くない 一年の初めを気持ちよくスタートするためにできること を紹介します。

起きる時間を固定する

何かとイベント事が多いこの時期。
忘年会、クリスマス、年越しの行事、お正月、新年会など、ついつい夜更かしをしてしまうケースも多かったかもしれません。

生活習慣を改善するのは大変ですが、乱してしまうのは容易なこと。
ですから、一度夜更かしの習慣が身についてしまうと、睡眠リズムや起床時間に影響が出やすくなってしまいます。

そこで、まずは寝る時間を決めるのではなく、“起きる時間を固定する”ことから始めてみましょう。
最初はきついかもしれませんが、だんだんと睡眠時間のバランスも正常になり、カラダのリズムが整っていくでしょう。

起きる時間を固定する

朝日を浴びる

私たち人間のカラダは、太陽の光を浴びてからおよそ15時間程度経過すると、心を安定させている神経伝達物質のひとつである「セロトニン」が睡眠の質をよくするとされている「メラトニン」へと変化し、安定した睡眠を得られる仕組みとなっています。

そのため、睡眠のリズムが乱れ、疲れや重だるさを感じているときには、朝起きたらカーテンを開けて、太陽の光を5分くらい浴びて、深呼吸をする習慣をつけてみましょう。

食べ癖を改善する

食べ癖を改善する

年末から年始にかけて、外食をする機会が増え、いつもと違う食習慣を送っていた人も多いかと思います。特に外食中心になると、ふだんより味の濃いものや甘いものなどを食べる場面が増えてしまいがち。
じつは、こういった生活が続くことで、味覚が変化してしまうことがあります。

味のはっきりした食べ物には、砂糖や化学調味料が多く含まれていることが多く、依存性のあるものもあるので、推奨できない“食べ癖”がついてしまうことがあります。

そのため、お正月明けの食生活を整えるためには、強い意志をもって変えていく必要があります。

お正月が過ぎた頃に、日本では「七草」と呼ばれる習慣があります。
7種の野草もしくは野菜が入った粥(七草粥)を食べる風習のことですが、健胃効果や二日酔い解消、肝臓回復効果などがあるとされています。
年末年始の悪習慣を、食事の面から正す目的もあったのではないでしょうか。

このような風習を活かしながら、素材の味を生かした料理や出汁をとった食事などを積極的に取り入れて、健康的な味覚へと整えていきましょう。


ちょっとした工夫で、一年のスタートが明るいものになるかもしれません。
憂鬱で体調がすぐれない人は、ぜひ参考にしてみてください。
それでも気力が湧かない、会社に行くとお腹の調子が悪くなる、午前中だるい、仕事中眠くなるなどの不調が改善しない場合には、漢方を活用することもひとつの方法です。
症状の原因は人それぞれなので、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみることもよいと思います。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

Jan 6 2020

薬剤師・大久保 愛

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