漢方ビュー通信

中高年以降に多い、「めまい」で知っておきたいこと

中高年以降に多い、「めまい」で知っておきたいこと

筆者も襲われたことのある、めまい

目の前がぐるぐる回る、ふわふわした感じになる…そんな症状が現れるめまい。
経験した人はわかりますが、時として日常生活が困難になるほどつらい症状です。

じつは筆者も、過去にひどいめまいに見舞われた一人です。
歩いていると足が宙に浮くような感覚が数分ごとに現れ、力が抜ける感覚に襲われました。
このときは、取材で何度もお世話になっている漢方に詳しい医師に連絡し、すぐにタクシーで駆け込み診てもらいました。

中高年以降の女性に多い「良性発作性頭位めまい症」

さて、日本神経学会などによると、めまいには耳の奥にある内耳の問題によって起こるものが最も多く、そのほかに薬の作用によるもの、高血圧、起立性低血圧、貧血などによるものがあるとされています。心因性(ストレス)が原因で起こるケースも知られています。

内耳の問題で起こるめまいは、「良性発作性頭位めまい症」と呼ばれていて、朝起きてカラダを起こしたときや、顔を洗おうとカラダを前屈みにしたとき、目薬をさそうと上を向いたときなど、急に頭の位置を変えたときなどに症状が現れるのが特徴です。
症状は2~3分程度と短めですが、繰り返します。めまいのほかに吐き気や嘔吐を伴うこともありますが、耳鳴りや難聴は起こらないとされています。
ちなみに、この病気は中高年以降の女性に多いといわれています。

「いつ・どこで・どんな」症状をしっかり伝える

「いつ・どこで・どんな」症状をしっかり伝える

どんなタイプのめまいなのかは、問診や画像検査のほか、目の動きをみたり、聴力をみたりして、総合的に判断していきます。

めまいの状態を知るには、問診がとても大事とのこと。
いつから症状があるのか」「どんな症状か(ぐるぐる、ふわふわ、眼球の前が暗くなる、など)」「どんなときに症状が出るか」といったことを伝えられるようにしておきましょう。

舌がもつれる、モノが二重に見える、ひどい頭痛があるという場合は、重大な病気が隠れている場合もあるので、早めに医療機関に受診することをおすすめします。
めまいの原因となる病気を扱っているのは、耳鼻咽喉科や脳神経外科、内科などになります。

めまい治療に漢方薬が使われることも

漢方薬

めまいの治療は、その原因となる病気によって変わってきます。
「良性発作性頭位めまい症」の場合は、特に治療をしなくても改善することが多いとされていますが、吐き気止めや抗めまい薬、抗ヒスタミン薬などが処方されることもあります。
「めまい体操」も有効とされていますが、そのやり方は人(原因)によって違うので、医師に相談してみましょう。

めまいに対して使われている漢方薬がいくつかあります。
漢方において、めまいは「気・血・水(き・けつ・すい)」の不調によって起こると考えられており、「四診」と呼ばれる独自の診察法でその原因を探り、処方が決まります(※2)。
めまいの原因は一人ひとり違うため、その人の症状に合った漢方薬を選ぶ必要があると考えているからです。

慢性的にめまいに悩まされている人は、その対策に「漢方薬」という選択肢も加えてみてはいかがでしょうか。漢方に詳しい医師、薬剤師に相談してみてください。

※2…こうした診察を行わず、漢方薬が処方されることもあります。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

参照

日本神経学会
https://www.neurology-jp.org/public/disease/memai.html

慶應義塾大学病院医療・健康情報サイトKOMPAS
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000561.html

Apr 30 2020

医療ライター・山内

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