漢方ビュー通信

“代謝を上げる”と悩みの解消につながるの?

“代謝を上げる”と悩みの解消につながるの?

最近、太りやすくなった…便秘がちなようだ…カラダが冷えやすい…疲れやすい…などの症状に悩まされている人は、もしかしたら“代謝を上げる”ことで改善されるかもしれません。

よく耳にするこの「代謝を上げる」というフレーズ──具体的にどのようにすれば代謝を上げることができるのでしょうか。

そこで、今回は薬剤師である筆者が、代謝の基礎知識とその“上げ方”について解説します。

代謝の種類は3つに分けられる

はじめに、「代謝」について理解を深めましょう。
エネルギー消費に使われる代謝は、「基礎代謝」、「活動代謝」、「食事誘発性熱産生(DIT)」の3つに分けられます。

その中で、全体の約7割を占めるものが基礎代謝です。
基礎代謝とは、カラダを動かさないでも消費されるエネルギー、つまり、呼吸をしたり体温を保ったりと、人間が生きていくのに必要なエネルギーのことを指します。
基礎代謝は、カラダの部位において骨格筋や肝臓、脳で行われているとされているので、意識的に鍛えることのできる“筋肉”が重要になってきます。
つまり、基礎代謝を上げるためには、筋肉をつける(負荷をかける)ことが有効だと考えられます。

次に、活動代謝ですが、名前の通りカラダを動かしたときに消費されるエネルギーです。
主に、有酸素運動などを行うことで上げることができるので、活動代謝を補うことで基礎代謝アップにもつなげることができます。

最後に、食事誘発性熱産生(DIT)です。
これは、食事をした際に、体内に吸収された栄養素が分解されて体熱となって消費するエネルギーのことです。
この代謝を高めるポイントとして、朝食をとる、よく噛んで食べる、たんぱく質を多めにとることなどが挙げられます。

代謝の種類は3つに分けられる

基礎代謝アップを前提とした対策を!

前述した3種類の代謝の中で、もっとも大量にエネルギーを必要とするのは基礎代謝です。
つまり、効率よくエネルギーを消費するには、基礎代謝を上げることが近道と考えてよいでしょう。

それでは、具体的に基礎代謝を上げやすい方法、下げにくい方法について解説します。

基礎代謝は運動不足による筋肉量の減少、加齢による筋肉量の減少、無理なダイエットによる筋肉量の減少、自律神経の乱れ、生活リズムの乱れなどによって下がっていきます。
逆に基礎代謝を上げるために必要なことは、適度な運動やバランスのよい食事、十分な休息をとることです。
しかし、それらの行動を実践したからといって、その結果がすぐに出るわけではなく、日々の積み重ねによって代謝のよいカラダを作っていかなければなりません。

原因不明の微熱には漢方がオススメ

次に、基礎代謝低下によって感じる不調の改善として、対処療法的に漢方薬を使うこともおすすめです。
基礎代謝が下がってしまうと、どうしてもカラダが冷えやすくなったり、疲れやすくなったり、むくみやすくなってしまったり…ということが起こります。これらの不調の改善策として、漢方薬が有効に働いてくれる場合がありますので、関心のある人は、一度お近くの病院や専門の医師などに相談してみるとよいでしょう。

代謝を上げることで、日頃悩んでいた症状が軽くなったり、改善されたりする可能性があります。
基礎代謝の低下防止には、日頃の生活習慣を根本的に見直す必要がありますが、同時に漢方薬を使ってサポートしていくと、より効果的かもしれません。その際、自分の体質に合ったものを選べば、力強い味方になってくれるでしょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

Apr 13 2021

薬剤師・大久保 愛

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