漢方ビュー通信

憂鬱な梅雨どきの不調…今年は早めに対策を!

梅雨どきの不調の原因は?

梅雨になると、気になってくるのがジメジメした気候──と、それに伴う気圧の変化です。
特に、気圧の変化によって頭痛や何かしらの不調を感じやすいという人にはうんざりする時期ではないでしょうか。

そこで今回は、薬剤師である筆者が、気象と不調の関係性について解説します。

梅雨どきの不調の原因は?

梅雨どきになると、次のような不調に悩まされていないでしょうか?

  • 頭痛が増えた
  • めまいを感じることが増えた
  • むくみを感じやすくなった
  • 日中、眠気やダルさを感じることが多くなった
  • 風邪を引きやすくなった

これらの不調を感じている人は、気候の変化、特に低気圧の影響を受けているかもしれません。

憂鬱な梅雨どきの不調…今年は早めに対策を!

低気圧と内耳の関係

低気圧の影響によって不調を感じる場合、内耳が関係している可能性があります。

耳の構造で、一番奥に位置する内耳はリンパ液で満たされており、カラダを動かしたり回転したりしたときに、そのリンパ液が動きます。それによって感覚毛が傾き、感覚神経が興奮することで、私たちはカラダの傾きを認識します。

しかし、気圧の変化によって、実際にカラダを動かしたり回転したりしなくても感覚神経を刺激されることがあります。これによって、実際のカラダの動きと内耳が伝える情報とで差異が生じるため、それが脳のストレスとなって交感神経が興奮し、めまいや頭痛を感じさせることがあります。
また、交感神経は末梢にある痛覚神経ともつながっているため、古傷や持病などの痛みを悪化させてしまうこともあります。
ちなみに、低気圧の影響のたびに不調を感じる人は、正常な人のおよそ3倍も敏感に反応しているとされています。

梅雨の“なんとなく不調”には漢方薬を

漢方薬

梅雨どきの不調に対して、少し我慢したり、市販薬で対処したりすることもあると思います。
ですが、こういった不調には、漢方薬が助けになってくれることがあるので選択肢のひとつに覚えておくとよいでしょう。

例えば、「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」は、気圧に影響されやすい余分に溜まった水分を取り除いてくれるとされています。
作用と効果については、体力がなくて冷え症、胃腸虚弱な人に向く漢方薬とされ、めまいや立ちくらみ、頭痛、頭重感などの症状がある人に用いられます。

そのほかにも、ちょっとした不調を改善へと導いてくれる漢方薬は多く存在します。
梅雨どきが苦手だと感じている人は、本格的なシーズンに突入する前に、一度漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてください。その際に、自分に合った漢方薬かどうかを判断してくれると思います。

梅雨の不調を引きずったまま暑い夏へ突入すると、つらい症状を秋まで引きずることになりかねません。我慢せずに、早めの対策をとりましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

Jun 8 2021

薬剤師・大久保 愛

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