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漢方ビュー通信

子どもの「夜泣き」と漢方のいい関係

子どもの「夜泣き」と漢方のいい関係

なぜ子どもは夜泣きする?

子育て中の悩みとして多く挙がるのが、わが子の夜泣き。
夜になるとグズグズしはじめて、一度泣き始めるとなかなか寝付いてくれません。この時期の子育ては、寝不足との闘いといっても過言ではないでしょう。

子どもの夜泣きは発育に伴う自然な現象とされ、睡眠のリズムが未熟なために起こると考えられています。多くは生後3~4カ月から始まって、1歳6カ月を過ぎるころまでには治まるとされています。

ただ、「成長に伴うもの」以外にも、夜泣きをする理由がいくつかあります。
代表的なのは「のどが渇いた」「おなかが減った」「寒い、暑い」「おむつを変えてほしい」といったサインです。このほか、不安や興奮などの気分的なもの、「痛い」「苦しい」「熱っぽい」などの症状によるものなどが挙げられます。

なぜ子どもは夜泣きする?

無理やガマンをせずに専門家に相談を

最近ですと、“コロナ禍によって感じるストレスにより、夜泣きという症状につながっているのでは?”と指摘する専門施設もあります。

夜泣きは神経が高ぶっていると起こりやすいため、夜に興奮させないようにしたり、寝かせるときに子守歌を歌ったり、軽く背中をさすったりして安心感を与えるとよいそうです。
このほか、生活のリズムをつけるために昼間に運動させたり、お昼寝も寝過ぎないようにしたり、午前中に日の光を浴びさせたりすることも大切です。

それでもなかなか夜泣きが治まらないということもあるかもしれません。
そのようなときは、子どもの成長に関するさまざまな問題について相談にのってくれる、ご自身が住んでいる地域の保健所・保健センターなどを訪ねてみましょう。
「保健所は忙しいのに申し訳ない」と遠慮することはありません。子どもは社会の宝ですから、思い切って専門家に相談することも大切です。かかりつけの産婦人科がいれば、そこで相談してもよいでしょう。

漢方では、夜泣きは「肝(かん)」が原因のひとつ

夜泣きは病気ではありませんから、西洋医学的にアプローチするのはむずかしいですし、成長に伴う一過性のものですから、薬で治すといった類いのものでもありません。

そのようなときに活躍するのが“漢方”です。
じつは、夜泣きと漢方とは意外と相性が良いのです。

「疳(かん)の虫」という言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、漢方では、子どもは「肝(かん)」という状態が起こりやすいとされています。
肝の症状というのは、「落ち着きがない」「神経が過敏で、ちょっとしたことに興奮する」「すぐ怒ったり、泣いたりする」など。夜泣きも肝によって起こると考えられ、これらを鎮めることを目的に漢方薬が使われることがあるのです。

例えば、「抑肝散(よくかんさん)」や「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」、「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」、「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」などが夜泣きに使われる漢方薬で、漢方の小児の専門書『保嬰撮要(ほえいさつよう)』にも登場しています。

自律神経の乱れには漢方薬が効果的な場合も

母親のイライラも一緒に改善できる「母子同服」

夜泣きに対する漢方の大きな特徴として挙げられるのが、母と子が同じ漢方薬を飲むという「母子同服(子母同服)」の考え方です。
夜泣きは親のイライラの元凶になる一方、親のイライラは子どもにも伝わり、夜泣きを助長させてしまいます。こうした悪循環をなくすために、母と子が同じ漢方薬を飲むことで、母と子の症状を一緒に改善させていくのです。
同服には、母と子がそれぞれ薬を服用する方法などがあります。

コロナ禍の影響で、以前のように容易にママ友などとコミュニケーションを取る機会が少なくなった上に、実家に帰省できず親に頼れないなど、育児のストレスが発散できない状況が続いていると思います。
大切なことは無理をしないこと。可能な範囲で構わないので、さまざまな協力や支援を得ながら子育てをしていきましょう。

参照

新潟大学大学院医歯学総合研究科精神医学分野
http://www.niigata-dp.org/corona/child/index.html

「子どもの病気 ホームケアガイド」日本外来小児科学会編著
漢方スクエア 私の漢方診療日誌
Vol.12 No.13(通巻243号) 2015年7月8日発行

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師がこの診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

Jun 25 2021

医療ライター・山内

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