自分に合った薬を服用するために知っておきたいこと

今や、コンビニやスーパーなどでも、手軽に薬を入手できる時代になりました。
また、インターネットや書籍などの情報から自分の症状を逆引きして、自分で薬を選んで対処する人も増えていると思います。
さて、薬の入手方法にはいくつかの選択肢がありますが、病院で処方してもらう薬とそれ以外で入手できる薬にはどのような違いがあるのかご存知でしょうか?
そこで今回は、薬剤師である筆者が、医療用医薬品と一般用医薬品に分類される“それぞれの薬の違い”について解説します。
クスリの種類について知っておきたいこと
薬の種類には主に、医師が処方する「医療用医薬品」と、ドラッグストアや薬局で購入できる「一般用医薬品」・「要指導医薬品」があります。
ちなみに、ドラッグストアや薬局で購入できる薬は、OTC医薬品、市販薬、大衆薬などとも呼ばれ処方箋なしでも購入することができます。
漢方薬も同様に、医師が処方するものと、ドラッグストアや薬局で購入できるものとがあります。
どちらも同じ漢方薬ではありますが、“含まれている成分量”に大きな違いがあります。
また、医療用医薬品の漢方薬の場合は、保険適用になるケースがほとんどです。長期間服用する場合などは、一般用医薬品と比べて経済的になることもあるでしょう。
いずれにせよ、それぞれメリット・デメリットがあるので、状況に応じて使い分ける必要があります。
次の項で、もう少し掘り下げていきます。
カラダの状態に合った処方を優先しましょう

厚生労働省が定めている「日本薬局方」には、薬の製法や漢方薬を構成する生薬の最大量などが記載されています。そして、この最大量を用いて作られた漢方薬は、“満量処方の漢方薬”として表されます。
しかし、処方箋が必要なく、ドラッグストアなどで購入できる一般用医薬品の漢方薬の多くは、満量処方ではなく、医療用漢方薬の50〜80%ほどの成分量とされています(メーカーによって、1/2量や2/3量と記載)。
これは、安全性を高める(不特定多数の人が服用しても副作用などが起こりにくいようにしている)ために、あえて成分量を少なく配合しているのです。
このように、必ずしも満量処方が良いというわけではなく、カラダの状態や体力の有無などによって使い分けることが望ましいでしょう。
すぐに漢方薬が欲しい、とりあえず試してみたいという人は、(できれば薬剤師に相談の上、)市販の一般用医薬品で様子をみてもよいでしょう。
ただし、薬の使い分けはとても難しいですし、漢方薬も医薬品である以上、副作用があります。
少しでも早く体調を戻したい、改善したいのであれば、やはり専門の医師や薬剤師に相談して、自分に合った処方を行ってもらうのが安心だと思います。
医療用医薬品と一般用医薬品の使い分けについて、少しはお分かりいただけたでしょうか。
ケースバイケースで使い分け、自分に合った漢方薬をチョイスしていくことが大事です。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛