長引く咳がツライ!原因は急増中の“あの病気”かも?
喉の風邪が流行る季節がやってきました。一度、喉を壊してしまうと症状が長期化してしまうことが多いですよね。しかし、あまりにも咳をする期間が長過ぎると感じたら、それは単なる風邪ではないかもしれません。
今回は薬剤師である筆者が、長引く咳の原因として最近急増している病気について解説します。
長引く咳の原因は“胃”にあった!?
咳がでる原因は多岐にわたりますが、風邪の名残とは考えにくいほど長引く時は、ある病気を疑ってみましょう。
咳が長期化した際に、下記のチェック項目に該当する場合は、「逆流性食道炎」の可能性があります。喉は本来、胃酸に対する防御能力をもっていません。そのため逆流性食道炎により、胃酸が喉の粘膜を刺激すると炎症を起こしてしまい慢性的な咳につながることがあります。
それでは早速チェックしてみましょう。
乾いたコンコンという咳が続く
口の中が苦かったり酸っぱい味がする
胸焼けがする
喉に梅干しの種が詰まっているような違和感を感じる
胃にあるものが喉まで逆流してくる感じがある
声がかすれる
頻繁にげっぷがでる
胸焼けや逆流により眠れないことがある
胸が痛む
吐き気がする
いかがでしょうか。これらのチェック項目に4つ以上該当する場合は、逆流性食道炎が原因の咳かもしれません。
逆流性食道炎の咳対策3つ
1:特製ドリンク
《 きな粉ホット牛乳 》
胃酸の酸性を牛乳のアルカリ性で中和し、牛乳ときな粉のタンパク質により粘膜を保護します。また、温かい飲み物は胃の働きを改善してくれます。
2:呼吸法
《 弱っている下部食道括約筋と横隔膜を刺激し逆流を予防 》
仰向けなり、両手を体の脇に自然に置き膝を軽くたてます。お腹の上に500g程度の重りをおきます(本などがオススメ)。鼻から息を吸いながらお腹に乗せた重りを上に持ち上げるようにします。口から息を吐きお腹を元の位置に戻します。これを10回程度繰り返してみましょう。
3:姿勢
《 猫背改善ストレッチ 》
猫背や前屈みの姿勢を長時間続けると胃が圧迫され、消化不良や胸焼けにつながり逆流性食道炎の原因となることがあります。
両手を後ろで組みます。胸を張りながら組んだ手をできるだけ遠くに引っ張ります。肩甲骨を意識的に動かして30秒キープしましょう。
ストレスも多く食の欧米化が進んでいる現代人にとってはメジャーな病気となりつつある「逆流性食道炎」。ただでさえツライ症状なのに咳が併発するのは過酷です。医療機関に相談をしながら、今回ご紹介した対策も試してみてくださいね。
薬剤師・大久保 愛