寒くなるとトイレが近い!頻尿には漢方薬がオススメ
寒くなるとトイレが近くなり、朝方トイレで起きる回数が増える人も多いのではないでしょうか。また、長距離の移動などもトイレが近いと不安になりますよね。
今回は薬剤師である筆者が、寒い時期の頻尿が起こる理由と、そんな症状に漢方がオススメな理由についてご紹介します。
寒くなるとトイレが近くなる理由
尿は、血液の中で腎臓が不要と判断し濾過して残った「水分」です。この濾過により、99%は再吸収され、残り1%が「尿」となります。膀胱の中に尿が溜まると、その圧力が刺激となり尿意を感じることで体外に排泄されます。
寒くなると、汗として体外に放出される水分量が減ります。さらに、体表を流れる血管も収縮しやすくなるため血流量が減り、逆に体内の血流量が増えます。その結果、体内の水分量は暖かい時期と比べ増えます。
そして、寒いと筋肉が収縮しやすくなるので、膀胱も縮み、尿を入れておく容量が減り尿意を感じやすくなるのです。また寒さの刺激により、尿を抑えるホルモンの分泌も抑制され余計に尿意を感じやすくなってきます。
寒い時期は、さまざまな原因が重なり頻尿を感じるため、新陳代謝を上げて冷えを感じにくい体質にすることが大切です。
冬の膀胱炎には気をつけて
寒い季節は、トイレを我慢してしまう癖がつき「膀胱炎」になってしまう人が多いようです。膀胱炎になるということは、ストレスや疲労によって免疫力が低下していて雑菌に負けてしまっている状態です。カラダが弱っているので、繰り返して膀胱炎になったり、風邪を引きやすくなってしまいます。
膀胱炎になったら抗生剤ですぐに治して楽になることも大切ですが、冷えを感じやすく免疫が低下している状態であることを理解して生活を改めることも大切です。
頻尿には漢方薬がオススメ
頻尿には、過活動膀胱や心因性頻尿、尿路感染、多尿、残尿などさまざまな種類があります。
単にカラダを冷やさないように、お腹や腰をカイロなどで温めるだけでも冷えによる頻尿には効果的です。また、原因に合わせて対応を変えることもオススメです。
漢方薬は、冷えに対するケアや緊張、不安などのケア、むくみにアプローチして水分代謝を正常に導くケアなどに細やかに対応することができます。さまざまな要素が複合的に起因している頻尿にとって、漢方薬はオススメです。
また、漢方医学の考え方はカラダ全体のバランスを整えるというものなので、頻尿のケアをしているとその他に感じている不調も同時にケアできることもあります。
気持ち的にも負担が多い頻尿ですが、悩まずに医師に相談するなどして上手に漢方薬を使ってみてはいかがでしょうか。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
薬剤師・大久保 愛