肩こりさんに朗報!「太極拳」で血行改善!
慢性的な肩こりで悩んでいる人はとても多いと思います。整体院や鍼灸院に行っても、定期的に通院しないとなかなか効果も持続しないですよね。
とはいえ、パソコンやスマホなどを見る生活が基本となる現代では、慢性肩こりから免れることは非常に難しいと思います。
放っておくと頭痛や吐き気、手の痺れ、冷えまでさまざまな不調につながることもあるのでできるだけ早期に改善しておきたいものです。
今回は、薬剤師である筆者が1日たった3分で肩こりを軽減する方法を紹介したいと思います。
肩こりには太極拳の準備運動を応用する
そもそも肩こりは、筋肉が硬直し血行が非常に悪い状態。
この血行不良を画期的に軽減する方法があります。
それは、太極拳の準備運動の中で行われる“スワイショウ”という動きです。太極拳は本来中国武術の一つですが、現代では健康法として考えられているんです。
スワイショウは非常に単調な動きです。
両手の腕の力を抜きダランとさせ、前に放り投げるようにして振り子のように前後に揺らす動作を続けるだけです。
はじめは50回程度からはじめましょう。さらに、このスワイショウを前後だけではなく上半身をひねって回転するような動きをつけ、腰からお腹に腕が絡みつくように腕を振ることを繰り返したりもします。
ここまでは、一般的な動きです。これだけでも、肩から手先の末端までの血行が良くなりますが、これに一つ動作を加え下半身の末端の血流の改善も狙います。
足を肩幅に開きます。かかとの上げ下げを同時に行いふくらはぎの筋肉も鍛えます。またカラダが前後にぶれないようにするために腹筋も鍛えることができます。
この一連の動きは血行が良くなり、血管内皮細胞からの“一酸化窒素”の分泌を促進します。
血管内皮細胞から分泌される一酸化窒素の働きとは
まず、血管内皮細胞は血管が健康な状態を保つ上でとても大切なものです。これが衰えると、血行不良を起こし肩こりだけではなく高血圧や抹消血管障害、脂質代謝異常、動脈硬化などのリスクが高まるとも考えられています。
この衰えは今まで老化によるものが多かったのですが、最近では生活習慣の変化から若年化してきています。
一酸化窒素には、血管を拡張したり傷ついた血管を修復する働きがありますが、サプリメントなどで補給することはできません。
前章でお伝えしたような運動で筋肉を動かして血行をよくし、血管内皮細胞から分泌を促すことでしか得られないのです。
寒い時期はカラダに力が入り、肩こりを引き起こしやすくなります。
また、血管が収縮しやすくなり血圧も上がりやすくなります。とてもシンプルな体操なので、ぜひ日々の生活に取り入れてみてくださいね。
薬剤師・大久保 愛