漢方ビュー通信

疲れ、イライラ、肌荒れ…それって“アレ”の不足かも?

疲れ、イライラ、肌荒れ…それって“アレ”の不足かも?

カラダの組織をつくり調子を整える成分

最近、疲れがとれない、イライラする、肌荒れがひどい、貧血かも…。
そんな症状があったら、それは“ミネラル不足”かもしれません。

ミネラルとは、骨や歯といったカラダの組織をつくったり、カラダの調子を整えたりする働きを持つ成分。五大栄養素の一つで、カラダの中では生成されないため、食事などから摂る必要があります。
現在、ヒトのカラダに必要とされているミネラル(必須ミネラル)は16種類。このうち体内に含まれる量によって、主要ミネラル(カルシウム・リン・カリウム・硫黄・塩素・ナトリウム・マグネシウム)と、微量ミネラル(鉄・亜鉛・銅・マンガン・クロム・ヨウ素・セレン・モリブデン・コバルト)に分かれます。

成人の3分の1が亜鉛不足に

このところ、現代人のミネラル不足が問題になっています。
例えば、亜鉛。
タンパク質の生成に使われたり、神経の情報伝達を助けたりするミネラルで、不足するとイライラや味覚障害、貧血、免疫力の低下、月経障害、精子の減少などを引き起こすとされています。
実際、長野県内のある地域の住民を対象にした調査では、現代人の血液中の亜鉛量は1970年代と比べて少なく、成人の3分の1が亜鉛不足であることが判明しました。
亜鉛に限らず、カルシウムの不足では骨がもろくなる骨粗しょう症が生じますし、鉄不足では貧血、ヨウ素不足では甲状腺の病気などが起こります。疲労や肌荒れ、冷え症といった症状もミネラル不足が原因ではないかと指摘する専門家もいます。

成分を単独でとっても効率的ではない?

では、不足しがちなミネラルをどう補えばいいのでしょうか。
サプリメントで摂るという方法もありますが、カルシウムはビタミンDに、鉄はビタミンCによって吸収が高められます。つまり、成分を単独で摂るのは効率的ではないということ。
やはり大事なのは、バランスの良い食事からの摂取。
以下に農林水産省のミネラルの種類と多く含まれる食品を紹介しますので、これらを意識的にバランス良く摂ることが大事です。

ミネラルの種類と多く含む食品
ミネラルの種類 多く含んでいる食品の例
ナトリウム 食塩、しょうゆ
マグネシウム 豆類、種実類、海藻類、魚介類
リン 魚介類、牛乳・乳製品、豆類、肉類
カリウム 果物、野菜、芋、豆類、干物
カルシウム 牛乳・乳製品、小魚、海藻類、大豆製品、緑黄色野菜
クロム 魚介類、肉類、卵、チーズ、穀類、海藻類
マンガン 穀類、豆類、種実類、小魚、豆類
海藻類、貝類、レバー、緑黄色野菜
レバー、魚介類、種実類、豆類、ココア
亜鉛 魚介類、肉類、穀類、種実類
セレン 魚介類、肉類、卵
モリブデン 豆類、穀類、レバー
ヨウ素 海藻類、魚介類

農林水産省「ミネラル」より
http://www.maff.go.jp/j/fs/diet/nutrition/mineral.html

ミネラルアップには豆類、種子類、ドライフルーツ

ミネラルアップには豆類、種子類、ドライフルーツ

さらに、こんなポイントも押さえておくと便利です。
例えば、料理をする人であれば、煮干しや昆布などでとった出汁を使うとミネラルアップになります。また豆類や種子類、ドライフルーツもミネラル補給にオススメ。乳製品は「脂肪ゼロ」などの成分を調整したものよりも、「無調整」系のほうが、ミネラルがバランス良くとれるとのこと。

野菜については、昨今、含まれているミネラルの量が昔に比べて減っていると言われています。また、加工食品は加工の段階でミネラルが流れ出てしまっている可能性も。加工食品やすでにカットされたものより、野菜そのものをまるごと使うほうがよいそうです。
なかなか普段の生活で補いにくいミネラル。いろいろな工夫で補って、ココロとカラダの健康を保ちたいですね。

参照

農林水産省HP
http://www.maff.go.jp/j/fs/diet/nutrition/mineral.html
厚生労働省e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-035.html
亜鉛欠乏症
http://www.ryu-kurasawa.com/hello2/

Jan 30 2018

医療ライター・山内

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