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感染症から健康と命を守る予防接種

感染症から健康と命を守る予防接種

日本で行われている予防接種は?

2016年の夏、関西地方を中心に感染拡大が注目された麻疹(はしか)。2年前には風疹の大流行がありました。
風疹流行の際は、妊娠中のお母さんが感染することでおなかの赤ちゃんに影響を及ぼす「先天性風疹症候群」が危惧され、医療機関から風疹のワクチンが足りなくなるという状況にも陥りました。記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。
そんなわけで、今回は予防接種の話です。
日本では、現在、いくつかの感染症について予防接種が行われています。
具体的には、定期接種(定められた期間内で受ける場合は原則として公費負担)はヒブや小児用肺炎球菌、BCG、水痘(みずぼうそう)など、任意接種(多くは自己負担で、自治体によっては公費が助成されることも)はロタウイルス、おたふくかぜなど。2016年10月からは、B型肝炎の予防接種も定期接種に含まれました(表)。

定期接種
(対象者年齢は政令で規定)
生ワクチン
BCG
ポリオ
麻疹風疹混合(MR)
麻 疹(はしか)
風 疹
不活化ワクチン
DPT/DT
日本脳炎
インフルエンザ
B型肝炎
任意接種
生ワクチン
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
水 痘
黄 熱
ロタウイルス
不活化ワクチン
B型肝炎
破傷風トキソイド
成人用ジフテリアトキソイド
A型肝炎
狂犬病
肺炎球菌(23価多糖体)
ワイル病秋やみ

定期接種を対象年齢以外で受ける場合

子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業
不活化ワクチン
肺炎球菌(7価結合型)
b型インフルエンザ菌(Hib)
HPV(ヒトパピローマウイルス:2価,4価)

予防接種のいちばんの目的は?

予防接種のいちばんの目的は、お子さんを“ワクチンで防げる感染症(VPD)から守る”ということ。
先ほど風疹の例を挙げましたが、妊娠中に麻疹にかかれば流産や死産などの危険があります。小さいころにおたふくかぜにかかれば、「ムンプス難聴」になることも。日本脳炎は国内では非常にまれですが、発症すると死亡率は20~40%ととても高い病気です。
それに、万が一予防接種を受けずにこうした病気にかかってしまえば、病状の心配もさることながら、共働きの家庭なら、お子さんの看病で親のどちらかが会社を休まければならず、治療費もかかります。また、幼稚園や保育園のお友だちにうつしてしまったかも……という不安も抱くかもしれません。

たいへんな接種スケジュールはアプリで!

このようにとても大事な予防接種なのですが、一方で、たいへんな面もあります。それはスケジュール調整です。
例えば、ヒブワクチンの標準的なスケジュールは、「生後2カ月になったらできるだけ早く、4~8週間隔で3回接種。4回目は3回目から7カ月以上あけて、1歳になったら」。B型肝炎の場合は、「生後2カ月(生後すぐ可)から0歳までに3回接種。3回目は2回目から4~5カ月空ける」です。このように、ワクチンによって回数や期間が細かく決められている上、対象期間(月齢)も決まっています。
予防接種では、かかりつけの小児科医が保護者と相談の上で、次の接種の内容と日程を決めることが多いものですが、最近は、このたいへんな予防接種のスケジュール管理をサポートする無料アプリも登場。「NPO法人のVPDを知って、子どもを守ろうの会」の小児科医が監修したもので、月別のワクチン表示や予定日通知などができます。

未接種の大人もできればワクチンを

ワクチンによる予防接種は、子どもだけのものではありません。
風疹や麻疹など、度重なる感染症の流行の背景にあるのは、未接種の成人どうしの感染です。今年の麻疹のケースは予防接種を受けていない20代、30代の人たちの間に感染が広がりました。
母子手帳にはどんな予防接種を受けたか記載されているので、気になる人はチェックしてみて。予防接種を希望されるときは、ワクチン外来などを設けている医療機関に相談を。
欧米では予防のために積極的に行われているというワクチン。漢方にも「未病を治す」という考え方が根本にあります。病気はかかってから治すのではなく、かからないようにする。それは洋の東西を問わず大事なことだと考えられてきたんですね。

※ワクチンで副反応が起こることもあります。どんな症状が、いつ出るのかなどについては、予防接種の際にしっかり確認しておきましょう。