その不眠症は“テクノストレス症候群”かも!寝る前スマホはNG
通勤中や通学中、ちょっとした待ち時間など、暇さえあればいじってしまうスマートフォン。さらに、寝る前でさえゲームや動画に夢中になってしまうことも…。
その行為、じつは質の良い睡眠を妨げるだけではなく、ストレスの原因となっているかもしれません!
今回は薬剤師である筆者が、スマートフォンやパソコンの使用で及ぼされる「テクノストレス症候群」と、それが引き起こす睡眠への影響について解説したいと思います。
テクノストレス症候群とは?
スマートフォンやパソコンなどのディスプレイを、長時間見続けることによって起こる“心身に対する不調”を「テクノストレス症候群」と言います。
代表的な不調として、目の疲れや肩こり、腰痛、イライラ、落ち込みや不安感、不眠などがあります。
このストレスのうけ方(要因)を3タイプに分けて解説していきます。
1)依存症
暇さえあればインターネットを見ていたり、スマートフォンやパソコンを手放すことができないなど、現実社会ではなくインターネットの世界にのめり込んでいる状態。
人や社会とコミュニケーションを取ることが煩わしくなり、さらには人間的な感情が無くなってしまうこともあります。
2)不安症
スマートフォンやパソコンに取り囲まれた生活が当たり前の時代となり、そういった機器を使用することに苦手意識や恐怖感を感じる方も多いようです。
そのような方の中に、拒絶反応を起こし、イライラや不安、頭痛、悪夢を見るようになったりと、精神的な症状が出ることがあります。
3)身体的な症状
長時間同じ姿勢でいたり、画面から発せられるブルーライトや電磁波などの影響を受けることでカラダに不調を感じることがあります。
睡眠に与える影響
スマートフォンやパソコンの画面からは、人の目で見ることができる光線の中で最もエネルギーが強い「ブルーライト」が発せられています。
じつは、このブルーライトの光は、交感神経を優位にするため、カラダをリラックスとは逆の方向に導きます。
寝る前に気分転換に、SNSのチェックやゲームをすることで、ストレスを取り除こうとスマートフォンを握りしめながらベッドに入る人も多いと思います。しかし、それは眠りに必要な副交感神経を優位にする行動ではないのです。
またさまざまな情報を見て、頭や脳も動き、心地よい眠りに入る直前の状態とは言えません。
ただでさえ日常的にスマートフォンやパソコンからストレスを受けているのに、寝る前にまで追い討ちをかけるような行動は良質な睡眠を邪魔することになり、不眠症の悪化を招いてしまします。
不眠症で悩む方は、一度、スマートフォンやパソコンなどを意識的に遠ざけた生活を送ってみてはいかがでしょうか。
薬剤師・大久保 愛