スマホ依存が急増!カラダに与える深刻な影響とは
今や、日常生活になくてはならない“スマートフォン(=スマホ)”。
スマホによるインターネットを介してのサービスは、日々のニュースやSNS、動画配信、連絡手段のひとつにもなり、私たちの生活を豊かにしています。
ところが、その反面で「スマホ依存」という言葉を耳にするようになりました。
スマホを触る時間が過剰になることで、睡眠不足や視力低下など、カラダに何かしらの影響を与える要因になっているのではと懸念されています。
今回は、薬剤師である筆者が、スマホ(ネット)依存によるカラダへの影響とその対策について解説します。
“スマホ(ネット)依存”とはどんな症状?
空いた時間を有意義に過ごすためのツールとして、スマホは非常に便利です。
ところが、隙間時間ばかりでなく、人と会っている時や食事中、歩きながら、寝る直前までと、常にスマホが傍にないと落ち着かない状態に陥っているのが「スマホ(ネット)依存」です。
スマホ(ネット)への依存度合いを判定するために、以下の項目をチェックしてみましょう。
5つ以上該当する人は注意が必要です。
ネットを長く利用していたために、家庭での役割や日常の家事(炊事、掃除、洗濯など)をおろそかにすることがある
ネットをしている時間が長くて、学業(成績)、業務に支障をきたすことがある
人にネットで何をしているのか聞かれたとき、言い訳をしたり、隠そうとしたりすることがある
ネットをしている最中に誰かに邪魔をされると、いらいらしたり、怒ったり、言い返したりすることがある
夜遅くまでネットをすることが原因で、睡眠時間が短くなっている
ネットをする時間や頻度を減らそうとしても、できない
ネットをしている時間や頻度を、人にはあまり言いたくない
ネットをしていないと憂うつになったり、いらいらする
参考: 総務省|「スマートフォン利用と依存傾向」より
スマホが与える深刻な影響
次に、スマホや電子機器の長時間利用が、カラダに与える悪影響を解説します。
ブルーライトによる影響
スマホやパソコンから出るブルーライトは、人が目で見ることのできる光の中でもっとも波長が短く、強いエネルギーを持っています。そのため、自律神経を乱したり、睡眠障害を引き起こすことがあります。また、眼精疲労や頭痛の原因にもなるとされています。
首にかかる負担
スマホを使用するとき、どうしても頭が下がりがちになってしまいます。
そもそも、人間の頭の重さは約5kgもあり、それを支える首や肩には常に負担がかかっている状態です。
そのような状況でスマホを長時間使用すると、慢性的な肩こり、手の痺れ、めまい、自律神経失調症などの原因となることがあります。
また、下を向き続けることで目や口の周りの筋肉が使われず、結果的に筋肉が衰え、顔のシワやたるみ、二重あごにもつながります。
歯にかかる負担
スマホやパソコンの作業に“集中する”ことが原因で、「歯列接触癖」という状態を引き起こしてしまう場合があります。
例えば、スマホを触っているときに、ふと顎に力が入ってしまっていたという経験はないでしょうか。
通常、上下の歯は接触していませんが、必要以上に接触することで発症するとされ、顎関節症のリスクが高まったり、ゲップやおならの量が増えることがあります。
目のピント調節機能の低下
スマホの画面を長時間見続けることで、目のピントの調節機能が低下する恐れがあります。
ピントの調節ができなくなると、遠くがぼやけたり、手元が見にくくなるなるなど、いわゆる「老眼」に似た症状が出てきます。
最近では、このスマホの使いすぎによる「スマホ老眼」が若い年齢の間でも増加しているようです。また、スマホ老眼によって、頭痛やめまい、吐き気などを引き起こすこともあります。
脳の疲労
ネット上には、無限の情報が存在しています。これらの新しい情報は常に私たちの脳を刺激し、脳の休まる時間がなくなってしまいます。
スマホ(ネット)依存を予防する方法
スマホ(ネット)依存にならないために、いくつかポイントを紹介します。
- スマホの利用頻度を定期的に振り返る
- 就寝前のスマホ利用を控える
- インターネット環境の無い機会を作る
- 予備バッテリーを持ち歩かない
- アプリなどの通知機能をオフにする
その他にも、自分ルールを決めることも効果的です。
例えば、移動中はスマホをバッグにしまっておくことを決めたり、携帯のプランを通信制限あり(従量制)に変更するなど、工夫次第でスマホの利用時間を大幅に減らすことが可能です。
スマホ(ネット)依存は、カラダにさまざまな悪影響を及ぼします。
前述したような、脳への刺激による気持ちの高ぶりや、睡眠不足などを回避するには、やはり一旦スマホから距離を置くことが一番の対策でしょう。
しかしながら、ライフスタイルを急に変えるのは困難な事です。少しずつでいいので、カラダを動かしたり、他に趣味を見つけたりするなどして、生活に変化を加えていく努力をしてみるのもオススメです。
また、漢方薬の中にも、気持ちを落ち着けるものや、睡眠不足を解消する手助けをしてくれるものもあります。
いろいろな手段を用いながら、上手にスマホやインターネットと付き合っていきましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
薬剤師・大久保 愛