漢方ビュー通信

めまい、疲れ、頭痛などの原因は、身近な“アレ”だった!?

めまい、疲れ、頭痛などの原因は、身近な“アレ”だった!?

「香害110番」に寄せられたさまざまな悩み

ローズ、ジャスミン、フローラル…身近にある柔軟剤やルームフレグランス。
日々、私たちの気分を上げてくれるこうした香りが、ときにめまいや疲れ、頭痛など、さまざまな体調不調の原因になることを知っていましたか?

こうした香りによるトラブルを、香害として問題視しているのが、NPO法人日本消費者連盟。
2017年7月と8月の2回にわたって、電話相談「香害110番」を実施したところ、65件の電話、148件のメールやファクスが寄せられました。

その内容の中心は、香りをきっかけに吐き気や頭痛、脱力、のどの痛み、咳、鼻水、くしゃみ、集中力の低下などの症状を起こしたというもの。
体調不良で、外出や仕事ができなくなったという、深刻な相談も寄せられました。

そのなかでもっとも多かったのは、「衣類の香り」にまつわる相談でした。

副交感神経の働きを高めてくれる香り

副交感神経の働きを高めてくれる香り

ここ数年、さまざまな香り付きの柔軟剤や洗剤が登場しています。
購入する私たちのなかにも、「しっかり洗う」、「洗い上がりをよくして、静電気を防ぐ」、「衣類の縮みを防ぐ」といった目的だけでなく、自分の好きな「香り」を商品選びのポイントにしている人は多いのではないでしょうか。

実際、香りにはストレス緩和や眠気防止、睡眠改善、免疫力アップなどの効果のほか、交感神経を落ち着かせて、リラックスモードの副交感神経の働きを高める作用があることも分かっています。

こうした効果を狙ったのが「アロマセラピー」で、ふんわりと香る衣類を身にまとうと、何となくハッピーな気分になるのは、このアロマ効果といえます。

気が付くと強い香りに。「控えめ」を心がけて

気が付くと強い香りに。「控えめ」を心がけて

しかし、香りには人によって好き嫌いがあり、また守りたい香りエチケットもあります。

例えば、電車やエレベーターに乗っているとき、「ちょっとこの人、香りがきつい」と思うことがありますよね。
じつは、嗅覚は同じ刺激を受け続けると、その物質に対する感受性が低下し、今までと同じ強さの香りを感じにくくなるため、より強い香りを求めてしまうのだそう。

しかも、こうした感受性の低下は、自分ではなかなか気付かないもの。
洗剤などの使用量を目安に、「控えめかな」と思うぐらいの香りでいいのかもしれません。

香りの化学物質に反応する「化学物質過敏症」

さらに、洗剤などの香りで体調を崩す人がいることも忘れてはいけない事実。

2009年に病名登録された「化学物質過敏症」という病気で、香りなどの化学物質に反応して、さまざまな全身症状を引き起こしてしまうのです。
香りのせいで、外出ができなくなったという人もいるとのこと。会社にも、学校にも行けないというのは、当事者にとってはとても深刻な問題です。

こうした「香害」の加害者にならないためには、周りに対する配慮が大切。
日常の香りの使い方、少し見直してみてもいいかもしれません。

参考

「香害110番 香の洪水が体を蝕む」日本消費者連盟
http://nishoren.net/publishment/comsumer-report/9172

Apr 17 2018

医療ライター・山内

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