漢方ビュー通信

知っていますか?医薬品の種類。クスリを上手に活用して健康に

知っていますか?医薬品の種類。クスリを上手に活用して健康に

カウンター越しで購入するから“OTC”

ドラッグストアや薬局などで売られている、さまざまなクスリ。
病院やクリニックを受診する時間が取れなかったり、日曜日など病院が開いていなかったりするときに、購入し服用できるのはとても助かりますよね。

ドラッグストアや薬局で、自分で選んで買うことができる薬には、一般用医薬品要指導医薬品の2種類があります。これらはOTC医薬品市販薬大衆薬などとも呼ばれます。さまざまな年齢や異なる体質の人が使用することや、患者さん自身の判断で使用ができることから、安全性が重視されています。

OTCは、もちろん医師が処方する医療用医薬品とは異なります。
ちなみに、なぜ“OTC”なのかというと、カウンター越しで購入できるからです。(Over The Counter:オーバー・ザ・カウンター)

カウンター越しで購入するから“OTC”

自分の健康は自分で守る「セルフメディケーション」

ところで、国は昨今、自分の健康は自分で守る「セルフメディケーション」を勧めていることをご存知ですか?

軽い症状や不調は、OTC医薬品で治す。
それによって、自分自身の生活の質を改善させていくセルフメディケーションは、一方で医療費の抑制にもつながるとして期待されています。

OTCは、薬の飲み合わせや副作用など服用の難しさの面から、「要指導医薬品」「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」に分かれています。

要指導医薬品:医療用医薬品から市販薬に転用されたばかりの薬を指します。医療用から一般用になって間もないため、その取り扱いに十分注意し、より安全に使用されるように、購入の際には必ず薬剤師から対面での指導や情報提供を受ける決まりになっています。そのため、インターネットでの購入はできません。

第1類医薬品 :飲み合わせ、副作用などのリスクから、“特に”注意を必要とする薬です。そのため、薬剤師による情報提供が義務付けられています。発毛薬や一部の鎮痛薬、胃腸薬が対象です。

第2類医薬品 :飲み合わせ、副作用などのリスクから、注意を必要とする薬です。薬剤師または登録販売者から購入することができます。鎮痛薬や風邪薬など多くの薬が含まれます。

第3類医薬品 :薬剤師または登録販売者から購入することができます。リスクの程度は比較的低く、情報提供には法的制限がありません。ビタミン剤や整腸剤など、比較的安全に服用できるものなどです。

スイッチOTCと要指導医薬品

OTCのなかには、もともと市販薬として作られたもの以外に、最初は医師の診断・処方せんに基づいて使われていた医療用医薬品が、安全性や海外での使用事情などから、OTCに移行しても問題ないと判断されて、市販化されたものもあります。

それが「スイッチOTC」──
つまり、OTC医薬品に転用(スイッチ)したものなので、スイッチOTCと呼ぶのです。

スイッチOTCは、市販化してしばらくは慎重に販売する必要があるため、薬剤師が「対面」で購入者の情報を聞き、「書面」で薬の説明を行うことが義務付けられています。
これを要指導医薬品といい、インターネットなどでの購入はできません。
原則3年間の調査を経て、安全面に問題がないと確認された後、一般用医薬品として販売することができるようになります。

セルフメディケーション税制とは?

セルフメディケーション税制とは?

セルフメディケーションを推し進める政策の一つが、「セルフメディケーション税制」

これは、自分やその家族(生計が一緒)が一定額のスイッチOTCを購入した場合、その額の合計が1万2000円を超えるときは、オーバー分の金額がその年の総所得金額などから控除することができるというもの。

詳しいことは、薬局薬剤師に相談を。いずれにしても、薬を購入したときのレシートを取っておいたほうがいいでしょう。

もちろん、体調や症状によっては自己判断での服薬はキケンなケースもあります。
明らかに病気かなと思った時や、なかなか改善しない不調がある時は、近くにある病医院やクリニックでお医者さんに診てもらうことも大切です。(医師免許を持つ人、つまりお医者さんだけが「診察」をすることができます。)

病院、クリニックへの受診と、薬局、ドラッグストアでのOTC。
うまく使い分けることが、本当のセルフメディケーションなのかもしれません。


ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

日本一般用医薬品連合会
https://www.jfsmi.jp/lp/tax/?_fsi=9kJ0fzAe

厚生労働省「スイッチOTC薬の考え方」
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/11/dl/s1108-4i.pdf

厚生労働省「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

ツムラの一般用漢方製剤「一般用漢方製剤・一般用医薬品」
http://www.tsumura.co.jp/products/ippan/

Sep 18 2018

医療ライター・山内

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