原因不明の不調。もしかして「貧血」?
カラダの“不調”は、原因が分かるものとそうでないものがあります。
原因不明な不調は、もしかしたら「貧血」からきているものかもしれません。
じつは、貧血は自覚していないケースも多く、さらに病院で検査をしないと特定することが困難な症状です。
今回は薬剤師である筆者が、貧血について詳しく解説します。
貧血時に起こる症状
貧血の症状で真っ先に思い浮かぶのが、“立ちくらみ”や“めまい”だと思います。
しかし、貧血は必ずしもこれらの症状だけではありません。
じつは、これらの不調は、起立性低血圧などの血圧調節の問題で起こることも多いのです。
それでは、貧血時に起こりやすい症状をいくつか紹介します。
- なかなか眠れない
- イライラしやすく、神経過敏
- 足がムズムズして虫がはっているような感じがする
- 下まぶたの裏が白い
- 肌や髪の毛が乾燥しやすい
- 注意力散漫で集中力が続かない
- 疲れやすく、やる気がない
- 氷をかじりたくなる
- 末端が冷える
- 爪が二枚爪になったり、へこんだりする
以上の項目で半分以上当てはまる人は、貧血の可能性がありますので、病医院やクリニックで相談してみることをオススメします。
貧血時は食事の内容に気をつけよう
<意識して摂るべき食材>
一般的に鉄分やビタミンC、タンパク質を摂ることは知られていますが、ビタミンB6やB12、葉酸も造血作用があるため、一緒に摂るようにしましょう。
鉄
牡蠣、カツオ、あさり、マグロ、イワシ、カツオ、小松菜、ほうれん草、ひじき、レバー、卵、大豆など
ビタミンC
みかん、ブロッコリー、キャベツ、レモン、いちご、じゃがいも、ゴーヤなど
タンパク質
卵、大豆、豚肉、鶏肉、マグロ、カツオなど
ビタミンB6
豚肉、ジャガイモ、バナナ、レバーなど
ビタミンB12
あさり、赤貝、マグロ、牡蛎、卵、レバー、あなごなど
葉酸
小松菜、ほうれん草、みかん、卵、大豆、レバー、牡蛎、メロン、オレンジ、キャベツなど
<控えるべき食材>
コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含むものは、鉄分の吸収を阻害するので控えましょう。
医療機関で貧血と診察された場合は、鉄剤とビタミンCの組み合わせを処方されることが多いです。これは、鉄とビタミンCが組み合わさることで、効率よく鉄を体内に取り込むことができるようになるからです。
したがって、食事でも鉄とビタミンCの組み合わせを意識して摂るのがオススメです。
不定愁訴には漢方薬がオススメ
不定愁訴のように、西洋医学では病気としてとらえにくい不調や症状(未病)に対してオススメなのが「漢方薬」です。
貧血や冷え症(冷え性)なども代表的な例です。
漢方薬は、さまざまな自覚症状に対して、1剤で改善することも期待できるので非常に効率的な側面もあります。
ただし、漢方医学ではカラダに現れた自覚症状を重視し、その人の体質を見極めた上で、個々に合う漢方薬を処方しますので、自分で判断せずに漢方に詳しい医師や医療機関にアドバイスをもらうようにしましょう。
本来は、食事などふだんの生活から改善できることが望ましいのですが、あまりにも症状がきついときは、無理をせずに「漢方薬」などに頼ることもオススメします。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛