乾燥の季節!肌トラブル対処法はコレ

秋から冬にかけて、気温低下も悩みのひとつですが、“乾燥”も不安ではないでしょうか。そして、この乾燥がもたらすトラブルで気になるのはズバリ、「肌」ですよね。
乾燥肌の悩みは非常に多いのですが、特に皮膚がカサカサして痒くなり、白い粉が吹いてくるような症状だと要注意です。もしかしたら、「皮脂欠乏性湿疹」を発症している可能性があります。
今回は薬剤師である筆者が、乾燥による肌トラブルについて解説します。
乾燥がもたらす「皮脂欠乏性湿疹」とは
「皮脂欠乏性湿疹」とは、皮脂欠乏症が悪化した状態のことをいいます。
詳しく解説していきましょう。
まず、皮脂欠乏症とは、皮脂が減少することで皮膚の水分が減少し、乾燥を生じてしまう病気です。
目に見える症状としては、乾燥の影響で手足やスネ、肩や背中などから白い粉を吹き、痒みを伴います。
特に、乾燥している秋から冬にかけて症状が重くなりやすいとされています。
この状態をそのまま放置して、痒さを我慢できずに掻き続けてしまうと、炎症を伴う湿疹ができてしまいます。この状態が「皮脂欠乏性湿疹」で、ちょっとした刺激にも弱くなり長期化しやすくなります。

肌のケアは保湿だけではない
皮脂欠乏性湿疹は、老化による皮脂分泌の低下やアトピーを患っている人に発症しやすいとされています。また、衣類の刺激やカラダをゴシゴシ洗う、生活習慣が乱れることなども起因しているようです。
簡単にできる対策として、保湿などの乾燥対策や、刺激を与えないように気をつけるという方法がベターでしょう。
以下に、日頃の過ごし方における注意点をまとめます。
暖房使用時は加湿することも忘れずに、湿度を40〜60%に保つようにする
肌に触れる衣類は、痒みを感じるような素材は避け、コットン性などの素材を選ぶ
締め付けのある衣類は避ける
良質な睡眠と食事のバランスを整える
漢方医学からみた肌トラブルの考え方

漢方の考え方では、肌に関する悩みについて、“肌”だけで診ることはしません。
なぜなら、漢方医学ではカラダを局所的に診ることはせず、心とカラダをひとつのものとしてとらえ、総合的に判断するからです。
つまり、肌に表れているトラブルも、じつはカラダの内側から出ているサインなのではないかと考えるのです。
例えば、今回の肌のケースでは、漢方独自の考え方「気・血・水(き・けつ・すい)」から判断すると、「血(けつ)」の不調からくる「血虚(けっきょ)」が原因であると考えられます。
血は全身に酸素や栄養を行き渡らせる役割があるので、血の循環が滞ると皮膚に栄養が行き渡らなくなり、皮脂や汗の分泌低下が起こってきます。それが皮膚の乾燥をもたらすわけです。
しかし、カラダに現れる不調やトラブルの原因は人それぞれです。ですから、漢方医学ではその人の状態(体質・体力・抵抗力・症状の現れ方などの個人差)を特に重視するのです。
また、漢方薬は、その人の体質や症状に合ったものでないと、十分に効果を発揮することができません。
これから漢方薬を試してみたいと思っている人は、必ず漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
いかがでしたか?
とはいえ、“乾燥”を感じたらまずは早期に保湿するのが一番です。しかし、炎症や痒みが治まらない場合は、それ以上悪化させないためにも医療機関を頼るようにしましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛