鼻血は予防できる!?原因と対策を解説
子供から大人まで、誰もが一度は経験したことのある“鼻血”。
頻繁に鼻血が出る人や、出血が止まりにくいという悩みを抱えている人もいるかと思います。
鼻血の原因はさまざまですが、中には病気がもとで起こることもあります。
今回は、薬剤師である筆者が、この鼻血について解説します。
鼻血の出血はどこから?
鼻血の出血の大部分は、鼻中隔(両鼻の間の壁)の前方にある、「キーゼルバッハ部位」からによるものです。
キーゼルバッハ部位は、細く小さい血管がたくさん集まっていることに加え、粘膜が薄く、鼻の入り口にあるので傷つきやすい特徴があります。
その結果、ちょっとした刺激で出血が起きてしまうのです。
このキーゼルバッハ部位から出血した場合、鼻をつまみ圧迫することで、比較的簡単に止血することができます。
ただし、出血量が異常に多い時や30分以上出血が止まらない時、数時間おき・数日おきに何度も出血を繰り返す時には、違う原因も考えられるので耳鼻咽喉科などを受診するようにしましょう。
鼻血の原因はさまざま
鼻血による出血の原因には、日常生活によるものから、病気に関わるものまで多岐にわたります。その中でも、代表的な症例を紹介します。
1)突発性鼻出血
鼻血の8割は病気ではなく、一時的な刺激により出血する突発性鼻出血です。
・鼻をいじる
・鼻を強くかむ
・温度変化や空気の乾燥
・興奮など感情の変化
2)症候性鼻出血
刺激以外の原因によって起こる鼻血、例えば病気や薬の影響によるものがあります。
・高血圧
・薬剤による血液凝固機能の低下
・血液性疾患(白血病、血友病、紫斑病、再生不良性貧血など)
鼻血対策は、「触らない」、「保湿」、そして…
鼻血の原因は、前述のように8割が突発性鼻出血によるものです。
したがって、鼻血対策としてまずできることは、“鼻の触わりすぎ”や“癖”をやめることです。
鼻の中の粘膜は非常にデリケートなので、過剰に鼻の中をいじったり、強く鼻をかんだりすると傷ついて出血してしまうので、なるべく強い刺激を与えないようにすることが大切です。
そして、鼻の乾燥を防ぐことも対策のひとつです。
例えば、適度な湿度を保つ、鼻の中に薄くワセリンを塗って保湿する方法などあります。
また、漢方薬の中には、鼻血の症状を和らげてくれるものもあります。関心のある人は、ぜひ一度、漢方に詳しい医師や医療機関に相談してみてください。
鼻血は、ふだんの行動や乾燥に気をつけることで、ある程度防ぐことができます。
しかし、それでも改善が見られない場合は、別の病気が潜んでいる可能性もあります。症状が良くならない時は、一度、医療機関で診てもらうようにしましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛