気になる抜け毛は、カラダの外と内からケアを!
「抜け毛」で受診は20年前の4倍
見た目のイメージに影響を与えるため、気にする人も多い“抜け毛”や“薄毛”。
一般的に頭皮には約10万本の髪が生えていて、1日で100本ほど抜けるとのこと。この抜け毛の量が何らかの原因で増えて、頭皮がうっすら見えてくるのが、薄毛です。
厚生労働省の患者調査(平成26年)をみると、脱毛症で受診する患者は20年前の4倍。多くの人が悩んでいる事情が伺えます。
“抜け毛のタイプ“は主に3つ
抜け毛のタイプには「パターン脱毛症(男性型脱毛症:AGA、女性型脱毛症)」、「休止期型脱毛症」、「円形脱毛症」などがあります。
薄毛というと男性の問題というイメージがありますが、意外と見落とされがちなのが、女性の休止期型脱毛症です。
髪は「ヘアサイクル(毛周期)」という、一定のサイクルで成長と脱毛を繰り返しています。
髪の寿命は2~6年ほどで、髪が伸びる「成長期」、成長が止まる「退行期」、髪が抜ける「休止期」に分かれています。
このヘアサイクルのうちの成長期が短くなるのが、休止期型脱毛症です。
意外!?栄養不足から起こる“抜け毛”も
この休止期型脱毛症の原因のひとつは、なんと“栄養不足”。
栄養が足りないと、カラダは重要な臓器(心臓や脳など)を守るため、優先順位の低い皮膚や頭皮に対して栄養が届きにくくなります。
その結果、髪の成長が滞って抜け毛が増えるというのです。
妊娠中や産後、高熱などで起こるほか、過度なダイエットもリスクになるそう。
スリムな体型を目指して食事の量を極端に減らす、あるいは偏った食事をしている…こんなダイエットをしている人は、一度、鏡で問題が起こっていないかチェックを。
抜け毛ケアに対する考え方
抜け毛ケアは大きく分けて、頭皮に働きかける方法と、カラダの内側から働きかける方法の2つ。
前者で大事なのはヘアケアでしょう。
最近、「洗い過ぎ」の人が多く、結果的に頭皮の乾燥で毛包がダメージを受けるといわれています。
シャンプーの付け過ぎや、頭皮をゴシゴシとこするのはNG。最初にぬるま湯でホコリや皮脂を流してからシャンプーを付け、すすぐときもリンスやトリートメントのすすぎ残しのないようにしましょう。
本来、タオルドライで十分なのですが、ドライヤーは頭皮の乾燥を促すので、低めの温度のほうがベター。乾かし終えたら、オイルで頭皮の乾燥を予防。育毛剤を付けるのはこのタイミングで。
紫外線も頭皮にダメージを与えるので、これからの季節は帽子や日傘などで保護を。
食事では、髪の健康な成長に必要なタンパク質や亜鉛、銅、鉄などのミネラルを摂りたいところ。「主食がサラダ」のような偏った食事や、同じ食品だけを摂り続けたりするようなダイエットは、髪にもよくないのでやめましょう。
最近、抜け毛が多いかも・・・と思ったら
抜け毛が気になるようであれば、医療機関で相談することも検討してみましょう。
血液検査で不足している栄養素があれば、それらを補給する薬物治療が行われることが一般的です。あわせて食事の摂り方など、栄養指導なども行っていきます。
漢方では、抜け毛そのものよりもむしろ全身状態を整えることを目的に、その人に合った漢方薬が処方されることがあります。
いずれにしても、抜け毛ケアは「あせらない、のんびり構える」ことが大事。
前述したように、ヘアサイクルは2~6年と長く、その効果が現れるのもゆっくり。スキンケアのような実感は得られにくいので、コツコツと続けていくことが大事なのです。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
参照
患者調査(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/h26syobyo.pdf
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版(日本皮膚科学会ガイドライン)
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic医療ライター・山内