夜に足がムズムズ…その不快感、むずむず脚症候群かも

夜、寝ようとすると足の奥の方がムズムズ…不快で眠れないという人が最近増えているようです。
じつは、この症状、「むずむず脚症候群」または「レストレスレッグスシンドローム」という名称がついているのです。
一般的に、女性に発症するケースが多く、年齢とともに発症率は増加する傾向にあるとされています。
今回は薬剤師である筆者が、この「むずむず脚症候群」について解説します。
むずむず脚症候群の症状とは
まずは、むずむず脚症候群の症状について具体的に解説します。
むずむず脚症候群とは、足に感じる不快感のことで、「虫がむずむずと脚を這っているように感じる」ことから、そのように呼ばれています。感じ方には個人差があるものの、人によっては痛みや痒み、ほてりを感じるケースもあるようです。
また、むずむず脚症候群の特徴は以下のようなことがあげられます。
<起こりやすい時間>
時間帯としては、夕方から夜にかけて起こることが多く、睡眠の邪魔をしてしまうこともあります。夜にかけて、その不快感は増していく傾向にあるようです。
<弱まるタイミング>
仕事や好きなことに没頭していたり、別の何かに集中しているような時、カラダを動かしているような時は弱まるとされています。
<感じ方>
一般的に、じっとしていられない、手や足がむずむずして痒い、針で刺されているような感じ、虫が這っているような感じ、火照る感じ、足を動かしたくなる感覚などがあります。
これらの症状は、さすったり、足踏みしたり、歩いたり、叩いたりすると軽減していきます。

むずむず脚症候群の原因は?
現代医学では、まだはっきりとした原因は解明されていないとのことですが、神経伝達物質の1つであるドーパミンの機能障害や鉄が関与しているといわれています。
ドーパミンは、運動調節に関連する脳内ホルモンで、さまざまな運動機能を司る働きがあります。したがって、ドーパミンの機能障害が、全身の筋肉や感覚に異常をきたしている可能性があるのです。
また、鉄はドーパミンが作られるにあたって欠かすことのできない物質です。ですから、鉄不足に陥ると、ドーパミンが減少していき、結果的にむずむず脚症候群のような症状を発症してしまうのではないかと考えられています。
むずむず脚症候群の対策
むずむず脚症候群の対策は、前述したドーパミンの合成に必要な鉄、そしてアミノ酸のひとつであるチロシンを摂取することです。
鉄は動物性のタンパク質や貝類、海藻などに多いとされ、チロシンは大豆製品やしらす、チーズ等に多いとされています。
例えば、豆と鶏肉を入れたヒジキ、しらすご飯や納豆ご飯、海藻と貝を入れた味噌汁などにすると毎日の食卓に取り入れやすいでしょう。

また、漢方医学の視点からむずむず脚症候群をみると、不定愁訴の一種として考えられます。
不定愁訴は漢方の得意とする分野でもありますので、お近くの医師や薬剤師に相談してみるのもよいかもしれません。
むずむず脚が気になる人は、食生活の工夫、そして漢方薬からアプローチしてみましょう。
むずむずするという訴えは、足に限らず体中で起こる現象です。
実際に悩んでいる人も多く、そのせいで、不眠症につながるケースもあるようです。1日でも早く、症状を改善できるように、食事に気をつけたり、医療機関に相談したりして対策をとってみましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛