正月太りに!漢方と腸活を
この時期気になり始めるのが、下腹部や腰回り、お尻の下あたりにつき始めた贅肉ではないでしょうか。
さらに下半身はむくみ、便秘、血行不良、末端の冷えの症状まで。
正月太りは、見た目だけではなく、体調にまで悪影響を与えてしまいます。
そこで、今回は薬剤師である筆者が、カラダの中からデトックスすることで、見た目も体調も改善していく方法、漢方とダイエット、腸内環境をテーマにお伝えしていきます。
ダイエットには漢方薬という選択肢も
女性ならダイエットを考えたことのある人は多いと思います。
よく耳にする「漢方」でも…しかし、自己判断で取り組んでいませんか?
じつは、漢方薬はとても種類が多く体質によって自分に合うものが異なります。
お腹が弱い、便秘がち、ぽちゃぽちゃした肉質、固太り、むくみやすい…など人それぞれ体質や体調も異なるので、当然漢方薬の処方も異なります。
漢方薬を利用してダイエットもしたいという場合には、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのがベストです。
腸活とダイエット
腸内環境を整えるために必要な栄養素といえば、「食物繊維」です。
やはり、カラダの中からデトックスをしてダイエットを目指す場合には腸内環境を整えることはマストです。
そこで、まずは食物繊維とは何かというところから、おさらいしていきたいと思います。
食物繊維とは、人の消化酵素で消化できないものの総称です。その中でも、水に溶けるものを水溶性食物繊維、水に溶けないものを不溶性食物繊維と呼んでいます。
そして、体内での働きにも違いがあるのでそれぞれ解説していきます。
水溶性食物繊維
性質として少し粘性を持ち胃から小腸をゆっくり移動するため満腹感を得られ、胃腸の中にある糖を包み血糖値の急上昇を抑える働きがあります。また、コレステロールや胆汁酸などを吸着し排泄を促す働きもあります。
さらに、大腸にたどり着いた水溶性食物繊維は善玉菌の餌となり腸内で発酵します。
このときに、短鎖脂肪酸が生じ、脂肪燃焼、食欲抑制などのダイエット効果を期待することができます。
水溶性食物繊維には、昆布、ワカメ、こんにゃく、大麦、オーツ麦、果物などがあります。
不溶性食物繊維
大腸で水分を吸収し便のかさが増えたり、腸の蠕動運動を刺激するため便通の改善に役立ちます。穀物、野菜、きのこ、芋類、豆類などに多く含まれています。
デトックスできるダイエット
方法は簡単。いつも食べている白米を「もち麦」に変更するだけです。
もち麦には、たんぱく質やミネラルなどが豊富なだけではなく、食物繊維が白米の25倍、玄米の4倍の量も含まれています。
さらに、水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよく含んでいるので、水溶性と不溶性の食物繊維の働きのうち、両方の良い部分の影響を受けることができます。
そして、もち麦に含まれる水溶性食物繊維のβグルカンには、セカンドミール効果というものがあります。もち麦を取り入れた食事自体の血糖値の上昇を抑えるのはもちろんのこと、次に食べる食事の血糖値の上昇までも抑える働きがあるというものです。
これは、腸をきれいにデトックスするだけではなく、血糖値を意識せずとも安定させることでダイエットを助けてくれるということなのです。
無理な食事制限をしたり、自己判断でダイエットサプリなどに頼るのではなく、まずは、健康的な食事を心がけ、そのうえで専門家に相談したりしてみましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
薬剤師・大久保 愛