花粉症の発症時に、カラダの中では何が起きている?
アレルギー症状を患う人は、ひと昔前と比べて随分増えたように思います。
では、なぜ花粉症やハウスダストなどのアレルギー症状は起こるのでしょうか。
昨年までは大丈夫だったのに、突然アレルギーを発症してしまった…という話をよく耳にします。
明日は我が身かと思い不安になっている人も多いでしょう。
今回は薬剤師である筆者が、アレルギーが起きている時に一体カラダで何が起きているのか、そしてその対策を解説します。
花粉症はなぜ起こる?
花粉症は、生体内に入ってきた花粉に対する、カラダの免疫反応によって引き起こされる症状です。
その仕組みは、花粉が目や鼻、喉などの粘膜に付着することで、体内の免疫システムを反応させ、大敵である花粉に対抗するために“抗体”をつくります。この抗体は、花粉に接触するたびに増え続け、カラダに蓄積され続けます。
そして、蓄積が限界レベルを超えた時に、アレルギー物質であるヒスタミンが分泌され、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみ、充血、涙などの花粉症特有の症状が出てきます。
アレルギーは遺伝要因も強いのですが、このように特定のアレルギーの原因となる物質と接触を続けることでも症状が出やすくなります。子どもの頃にはなかった花粉症が、大人になって出てくるのは、これが原因のひとつです。
花粉に触れない環境づくりと免疫力アップが大切
花粉症の対策として、まずはアレルゲンである花粉に接触しないことが一番。
一般的な方法に、マスクや帽子、メガネ、花粉が付着しにくい洋服などを身につけることが挙げられます。また、気温が高い日や乾燥した日、雨の日の翌日などは特に花粉が飛びやすいので注意してください。
また、免疫を高めることも大切です。
腸には免疫細胞の多くが存在するといわれていますので、腸内環境を整え免疫力アップを目指しましょう。なるべく発酵食品や食物繊維の多い食材を摂り入れ、糖質や脂質などの多いインスタント食品などはできるだけ控えるようにしましょう。
漢方薬で花粉症対策を
とはいえ、花粉症といっても、その症状は人それぞれ──。
そのようなときは、漢方薬を使ったアプローチもおすすめです。
花粉症の症状として、透明な水っぽい鼻水や鼻づまり、また、かゆみがきつかったり、くしゃみが出たり、喉が痛かったりなどさまざまな症状があります。
そういった違いに対応するのが得意なのが漢方薬です。
眠気や集中力の低下などの副作用が気になっているような人にもおすすめなので、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談の上、試してみるのも良いかもしれません。
一度発症してしまうと厄介なアレルギーですが、対策をしっかりすることで症状は最低限に抑えることができます。自分でできる対策はもちろん行いながら、“漢方”という選択肢も加えてみるのも良いでしょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
薬剤師・大久保 愛