漢方ビュー通信

あがり症を改善するために

あがり症を改善するために

“人前に立つと、極度の緊張から頭が真っ白に…”

これは、大げさなことではなく、他にも胸がドキドキしたり、冷や汗が出たり、声が震えたりするなど、人によってさまざまな症状が出てしまうことがあります。
誰でも緊張する場面に遭遇しますが、明らかにいつもの自分とは違う状態、挙動がおかしくなってしまう症状…これを「あがり症」といいます。

今回は薬剤師である筆者が、あがり症について解説します。

緊張や赤面、 あがり症とは

緊張や赤面、 あがり症とは

あがり症は、別名、赤面症対人恐怖症社会不安障害などと呼ばれています。
一般的に、注目を浴びたり、人と接したりすることで緊張が過度となり、心身に支障が及ぶ状態です。

症状としては、手が震える、冷や汗が出る、声が上ずる、頭が真っ白になるなど、自律神経の乱れを感じることが多いとされています。
また、こういった症状が他人に対してマイナスに映っていないか、不快感を与えていないかなどと考え込んでしまい、ますます自律神経が乱れ、負のスパイラルへ陥ってしまうという不安もあります。

そして、このような体験が、次からの似たようなシチュエーションに苦手意識を植え付けてしまい、改善しようとしても慣れることができずに症状が悪化していくのです。

医療的アプローチでも改善できるあがり症

あがり症の解決法は、本来、成功体験を積み重ねることで負のスパイラルから抜け出すことが一番です。
しかし、それが難しい場合、医療機関に相談し改善していくこともできます。

医療的なアプローチは、不安感や心拍数を抑える医薬品によって、緊張する場面での症状を軽減します。そして、医薬品のサポートを得ながら成功した体験を積み重ねることで改善を目指すのです。

また、医薬品の中には、漢方薬という選択肢もあります。
緊張時に出る動悸や冷や汗、胃腸の不調など、あがり症の症状は人それぞれ違いますが、漢方薬を用いることで、そういった症状のパターンに応じて、ピンポイントでアプローチできる場合があります。もし、あがり症で長く悩んでいる場合は、一度、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。
あがり症は、精神的な影響も大きく作用しています。相談するだけでも、楽になって改善につながるきっかけを得ることができるかもしれません。

「気(き)」の不調には漢方薬を

大事な場面で、本来の自分の力を出すことができない…
ミスを犯す経験を繰り返している…
このような状況からネガティブに陥って、悩んでいる人は少なくありません。
もちろん、自分自身で解決できるに越したことはありませんが、人や薬など何かに頼ることで、
最短距離でよい方向に導いてくれる可能性もあります。
しかし、何より大事なのは、リフレッシュできる時間の確保や十分な睡眠などを心がけることです。症状が悪化する前に、しっかりと対策を取りましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

May 25 2020

薬剤師・大久保 愛

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