漢方ビュー通信

暗いニュースが多すぎる!ココロの病に要注意

暗いニュースが多すぎる!ココロの病に要注意です

2020年も半年を過ぎましたが、今年はあまり明るいニュースを聞きませんね。
中には、そのまま気持ちが暗い方へ引きずられ、眠れない、不安になる、倦怠感が取れないなど、心身ともにどんよりした感覚になりながら過ごしている人はいないでしょうか。
もしかしたら、それらの感覚はうつ病や適応障害の前兆かもしれません。

そこで今回は、薬剤師である筆者が、うつ病と適応障害について解説します。

うつ病はストレスから発症するケース多数

うつ病は、ストレスを受けるようなことが続いたときに発症することが多いとされます。
症状として、睡眠障害や憂うつな気分になる、頭が働かない、無気力、不安感、焦燥感、イライラ、食欲不振、口渇、性欲低下、便秘などを感じることがあります。

また、深刻化すると、ストレスを感じていない時でもそれらの症状を感じるようになります。
そうなると、楽しいことがあったとしても、心の底から楽しめない状況に陥りやすくなってしまいます。

これは、脳内で精神状態を安定させるために働く、「神経伝達物質」の働きが悪くなっているためだと考えられています。
適度な休養や、環境の調整、ケースによっては薬物による治療を行うのが効果的だとされています。

適応障害はうつ病につながる可能性も

適応障害の症状はうつ病に似ていますが、うつ病と違ってストレスを感じるとすぐに発症し、ストレスから離れるとすぐに改善する、とされていることです。
ですから、休みの日には憂うつな気分も少し楽になったり、趣味を楽しむことができる場合もあるので、環境に左右されやすい特徴があるといえます。
症状としては、憂うつ感や食欲低下、倦怠感などがあります。

こういった適応障害をそのまま放置しておくと、うつ病や睡眠障害、摂食障害につながってしまう場合もあるので、症状が軽いと思っても早めに対策をとることが大切です。

カラダの不調がココロの不調にも影響を

カラダの不調がココロの不調にも影響を

カラダの不調が原因で、うつ病や適応障害に似た症状の現れる病気があります。
例えば、甲状腺ホルモンの異常であるバセドウ病や橋本病、PMS(月経前症候群)、更年期障害、副腎のホルモンの異常などが可能性として挙げられます。
もちろんその他の原因も考えられますが、一人で悩んで自己判断をせず、医療機関などで相談して、原因を早期に特定し対処することが大切です。

ココロの状態に合わせて漢方薬も

不安やストレスなどに対して、漢方薬が有効な場合もあります。
前述したように、カラダの不調からココロの不調につながっているケースも少なくありません。

漢方薬はイライラや不眠、気分の落ち込みなど、さまざまなココロの状態に合わせて作用が期待できます。
西洋薬と比べると、早期改善というイメージがあまりないかもしれませんが、カラダに現れている複数の症状に対してアプローチし、精神的ケアを行っていくことは漢方薬の得意とするところでもあります。カラダの悩みがひとつひとつ改善していくことによってココロの負担が徐々になくなっていくことも。
原因が特定できるとき以外にも、「なんだか調子が悪いな」とか原因のわからない不調を感じたら、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談してみましょう。

「気(き)」の不調には漢方薬を

とはいえ、不安感や緊張感などを改善する最善の方法は、カラダを休ませたり、十分睡眠を取ったり、リラックスできる時間を持つこと。そして、規則正しい生活と食事が、健康なココロとカラダを取り戻す近道だと思います。
自分に合った方法を見つけて、心身ともに健やかに過ごせるようにしていきましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

Aug 4 2020

薬剤師・大久保 愛

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