漢方ビュー通信

まさに現代病!今年は特に脳への負担に注意しよう

まさに現代病!今年は特に脳への負担に注意しよう

長期間の自粛や先の見えない不安、外出を制限されることによる運動不足など、例年とは全く違う年となっています。そしてさらに、季節の変化に伴って、その温度差や気圧の変化などによるカラダへのストレスも加わります。
このように、いつもよりストレスを感じることが増えたせいで、世界的にも精神疾患を訴える人が増えているそうです。

心とカラダにかかったストレスは自律神経を乱します。
自律神経は、私たちがコントロールできない生命維持に関わる機能も担っているので、心の不調はいずれカラダにも波及していきます。

そこで今回は、薬剤師である筆者が、不安や焦り、気持ちの落ち込みなどからくる“情報過多シンドローム”自律神経の乱れについて解説します。

脳のキャパシティーを超えると…

脳のキャパシティーを超えると…

今年は特に、今まで耳にしなかったようなワードや、常に変化する複雑な情報で溢れています。
今の状況はどうなのか、次はどうなるのか…次々と降り注いでくる情報に対して、何を信じていいのか分からなくなってしまう人もいるのではないでしょうか。

じつは、人間の「脳」にはインプットできる情報の量や処理能力に限りがあります。
ですから、今年のように情報量が多く、同時に強いストレスを感じてしまうと、脳がオーバーフローしてしまい、いつも以上に脳へ負担がかかっていると考えられます。これを“情報過多シンドローム”と呼びます。

情報量が脳の限界容量を超えると、理解力や記憶力、判断力が低下したりすることが目立ってくるのです。

脳への負担を減らす方法

不安感や焦り、気持ちの落ち込み、イライラなどのネガティブな感情が頭の中を駆け巡っているとき…忘れようとしても、逆にその思いが強調されて余計に辛くなったり…

このような感情や思いは、ループして脳のオーバーフローを加速させます。
そして、自律神経が乱れて、喉の詰まりを感じたり、食欲を低下したり、下痢になったり、お腹に張りを感じたり、吐き気を感じたりと、さまざまなカラダの不調に繋がることがあります。

このネガティブな感情は、脳の前頭葉の一部が集中的に使われている状態ですので、脳の広い範囲を働かせることで感情を分散し軽減することができると考えられます。

例えば、音楽を聴いたり、歌を歌ったり、絵を描いたり、空を眺めたり、自然が多い場所を散歩してみたりといった行動です。こういった行動は、大脳辺縁系を活発にするため、ネガティブな感情をリセットしてくれます。

リラックスすることが一番の処方箋

リラックスすることが一番の処方箋

脳への処方箋として最適なのは、ずばり、“リラックス”すること。
しかし、何も考えずにボーっとすることが苦手な人や、音楽を聞いたり、別なことをしているのにもかかわらず、頭の中はあれやこれやとフル回転している人は多いと思います。

そのような人におすすめなのが「漢方薬」です。
漢方薬には、イライラや不安感、気分の落ち込みなどさまざまな感情に働きかけてくれる処方が存在します。

上手にのんびりリラックスできない、どうも気が張ってカラダに力が入ってしまうなどの“休み下手”な人は、一度漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。

心やカラダを休めたくても、なかなか落ち着かない日々が続いています。
規則正しいライフスタイルの見直しや簡単にできる深呼吸、そしてバランスの取れた食事や運動などをして、本来の調子に戻すことを目指しましょう。

「日常」が戻った時に、すぐに楽しめるように、しっかりと準備しておきましょうね!

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

Nov 12 2020

薬剤師・大久保 愛

関連コンテンツ