漢方ビュー通信

乳がんから身を守る「セルフチェック」していますか?

乳がんから身を守る「セルフチェック」していますか?

コロナ禍で健康診断や検診が受けられない?

コロナ禍で医療との付き合い方が大きく変わっています。
そのひとつが、“健康診断や検診をどうするか”ではないでしょうか。

一般的に、健康診断や検診は、病気の発生を未然に食い止めたり、特定の病気を早期に見つけて早期治療に結びつけたりすることを目的に行うものです。
しかし、今年は感染予防の観点から、施設側が人間ドックを一時的に取りやめたり、利用者が控えたりした結果、例年通りに“健康診断や検診を受けない人”が出ています。

そうなると、その間、自分の身は自分で守らなければなりません。
特に、今回のテーマである「乳がん」は、自分自身のチェックによる早期発見が可能な病気なので、日ごろから定期的に行いたいものです。

コロナ禍で健康診断や検診が受けられない?

早期発見・早期治療が可能とされる乳がん

「国立がん研究センターがん情報サービス」によると、乳がんの患者数は約9万2000人(2017年)で、女性がかかるがんのなかで一番多くなっています。
乳がんの罹患者数は年々増加していますが、その背景には、出産が遅い・出産経験がないといった女性が増えたことや、ライフスタイルの変化(飲酒、運動不足など)が関係しているといわれています。

一方で、死亡者数が少ないのも乳がんの大きな特徴です。
ステージ(病期)でみる5年相対生存率は、ステージⅠが99.8%、ステージⅡが95.7%、ステージⅢでも80.6%です。
これは早期発見、早期治療が可能になったことと、乳がんのタイプなどに応じた治療法が確立してきたことなどが挙げられます。

40歳以上は2年に1回。視触診は任意に

40歳以上は2年に1回。視触診は任意に

乳がんは、がん検診が有用とされるがんのひとつで、40歳以上の女性は2年に1回、乳がん検診を受けることが推奨されています。

がん検診では、専門の医師が乳房を触診、視診してしこりや皮膚の異常がないかを調べる視触診と、乳房専用のX線検査マンモグラフィによる画像診断があります(現在は、視触診は受診者の任意となっています)。
しかし、このコロナ禍で今年はまだ検診を受けていないという人もいると思います。
そういう人にぜひ実施していただきたいのが、セルフチェックです。

セルフチェックはいつすればいいのか

セルフチェックはいつすればいいのか

乳がんのセルフチェックは、鏡で乳房や乳頭に左右差がないかをみたり、凹みや皮膚の異常を確認したりしていきます。
また、実際に指の腹で乳房に触れてしこりがないかを確かめます。

具体的なやり方はいろいろな専門サイトに載っていますので、そちらを参考にするとよいでしょう。
そのひとつ、「対がん協会」の冊子で紹介している内容によると、セルフチェックは毎月月経が終わった4~5日後、閉経後の女性は毎月、日を決めて行うとよいそうです。

漢方ビューのインタビュー「先生の健康アドバイス」では、専門医がこう言っています。
「『私には関係ない』と思われる方もいるでしょうが、健康なときにこそ、乳がんについて学んでおいたほうがいい」

乳がんは診断も治療も進歩していますが、“治す”ためには早期発見が何より大切。
乳がん検診はもちろんのこと、毎月のセルフチェックも忘れずに行いたいものです。

参照

国立がん研究センターがん情報サービス
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_reg_surv.html

Nov 27 2020

医療ライター・山内

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