漢方ビュー通信

冷えは万病の元!冬でも暖かく過ごす温活術

冷えは万病の元!冬でも暖かく過ごす温活術

漢方関連の仕事をしていると、多くの女性が「冷え」の相談に訪れます。
それだけたくさんの人にとって身近な悩みなのですが、これが『万病の元』といわれるように、さまざまな病気や症状を悪化させる原因となります。

そこで今回は、冷えを防ぎ、寒い冬を暖かく乗り切る方法を、漢方薬剤師がお伝えします。

みんなのお悩み「冷え」がもたらす不調とは?

寒さを感じると、人間のカラダは生命の危機を感じて筋肉を収縮させますが、縮んで硬くなった筋肉の中では、血液がスムーズに流れなくなるので酸素や栄養が十分に行き渡りません。
また、カラダが冷えた状態を放置しておくと、手足などの末端にも血流が届きにくくなるため、より冷えてしまうという悪循環に陥りやすくなります。

この冷えがもたらす不調は、肩こりの悪化や頭痛、肌荒れ、顔色の悪さ、足のむくみ、手足が冷たくて寝付けなくなるなどさまざまです。
冷えは万病の元といわれることから、普段あなたが悩んでいる不調の原因も、じつは「冷え」が関係しているかもしれません。

みんなのお悩み「冷え」がもたらす不調とは?

日常でできる、カンタン温活術

一番身近でシンプルにできる温活方法は、日々の服装を見直すこと。
冬でも、家の中では春夏と同じ服を着ているという人は意外に多く、ちょっとした寒さを我慢してしまうことでカラダが冷えきってしまうことも。
積極的に、厚手の服や保温性のあるものを選んだり、下にレギンスを重ねたりするなど、日々の生活で防寒を意識した服装にすることが大切です。

女性の服装は、首の周りやデコルテが開いたデザインの服が多いため、男性よりも冷えやすい傾向にあります。首の後ろから空気が入ると冷えやすいため、襟があるデザインを選んだり、ネックウォーマーやスカーフなどをプラスして、首周りを冷やさないように注意しましょう。
ほんの少し、服装に気を使うだけでも保温効果は大きく変わってきます。

さらに、日々の温活として取り入れたいのが「カラダを温める食事」
この時期に旬を迎える根菜などは、カラダを温めるのでおすすめです。
ヨーグルトやフルーツ、生野菜などはカラダを冷やしてしまうため、食べすぎには要注意。寿司や刺身よりも煮魚、サラダより蒸野菜などと生ものよりもなるべく火を通して食べることをおすすめします。
また、同じ汁物でも、とろみのあるものは保温効果があります。
ポタージュやけんちん汁など、とろみの出る食材を使ったものや、料理に片栗粉などでとろみをつけてもよいでしょう。

その他には、朝食を抜かずにしっかり摂ることやカラダを温めるはたらきのある生姜やシナモン、辛味のある薬味を取り入れること、血行を促すナッツ類やオリーブオイルを積極的に摂取することも意識しておきましょう。

日常でできる、カンタン温活術

この時期におすすめの生薬とは

生薬=漢方薬、と思っている人もかなりいるのではないでしょうか。
生薬とは、そのほとんどが草根木皮を中心とした植物そのものを指し、他にも動物由来や鉱物由来のものまで、種類は多岐にわたります。
ちなみに、この生薬を複数組み合わせてできる薬が「漢方薬」です。

さて話を戻すと、カラダを温めるなら、生薬としても用いられる植物・食物のうち温める作用をもったものを口にすることがおすすめです。
じつは、生薬は私たちがふだん何気なく食しているものの中に、案外含まれていたりします。
それでは、いくつか身近なものを紹介します。

桂皮(けいひ)

桂皮(けいひ)

温活におすすめの生薬の中で、取り入れやすいもののひとつとして「桂皮」があります。
桂皮とは、スパイスでお馴染みのシナモンのこと。紀元前から世界各国で薬としても活用されてきました。
漢方医学では、風邪の症状や解熱鎮痛、婦人科用薬など、冷えが原因となる不調の漢方薬にも多く含まれています。
カラダを温め、血の巡りを促進する成分が含まれるので、カラダに取り入れた直後からホカホカするのが実感できることでしょう。
紅茶やコーヒー、ラテなどに入れて、美味しく楽しんでみてはいかがでしょうか。

生姜(しょうきょう)

生姜(しょうきょう)

日常生活で最も馴染みのある生薬の「生姜」。
じつは、この生姜も生薬のひとつで、カラダを温めて新陳代謝を高める働きがあるとされています。
冷えを感じている人は、日々の食生活に取り入れるとよいでしょう。
薬味として生で使用するだけでなく、加熱調理して摂取するのもおすすめ。特に今の時期は、旬の根菜がたっぷり入ったお鍋や汁物に入れてみるととても美味しいですよ。

当帰(とうき)

当帰(とうき)

婦人科系の漢方薬に多く含まれている「当帰」。
桂皮や生姜ほど馴染みのある生薬ではありませんが、冷えが原因で生理痛や更年期症状といった女性特有の不調が出る人には特におすすめです。
当帰は、セリ科の根を乾燥させたもので、薬膳食材を扱う店やオンラインショップなどで手に入るようです。
おすすめの摂取方法としては、スープなどに入れていつもとちょっぴり違う風味を楽しんでみるところから始めてみるとよいかもしれません。
他にも、当帰を使ったレシピはインターネットからでも簡単に探すことができるので、ぜひお気に入りの調理方法を見つけてみてください。

いかがだったでしょうか。
もちろん栄養たっぷりの食事以外にも適度な運動、十分な睡眠など、日々の規則的なライフスタイルは必要不可欠なのでお忘れなく。
それに加えて、今回紹介した生薬などを積極的に摂取して、残りの寒い時期を乗り越えていきましょうね。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

Dec 8 2020

薬剤師・森田博美

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