まだまだ油断できない!乾燥肌対策をもう一度
少しずつ春が近づいてきましたが、まだまだ油断大敵な乾燥肌。
手先やかかとに出てくるひび、ガサガサ感、そして太ももや背中などのかゆみ、顔やスネに粉が吹いたりと、乾燥肌に関する悩みは尽きません。
乾燥した肌は、セーターなどの防寒に役立つ繊維に対して敏感に反応しやすくなります。そのせいで肌を掻いたり、治りを遅くしてしまうことも…。
そこで今回は、薬剤師である筆者が、今からでも実践してほしい乾燥肌対策について解説します。
肌のバリア機能低下に注意を
秋から春先にかけては、空気が乾燥しています。
そのため、皮膚から水分が蒸発し、水分と皮脂のバランスが乱れやすくなります。すると、皮脂膜が薄くなり、肌のバリア機能が低下してしまいます。
この状態に陥ると、ちょっとした刺激にも敏感になり、赤みや湿疹、かゆみなどを感じ始めます。
このかゆみや湿疹の原因のひとつに、「寒冷蕁麻疹(かんれいじんましん)」があります。冷たく乾燥した空気の影響で頬や手の甲などに現れますが、数分から30分程度でおさまります。
手先や足先が冷えやすい人は末端の血流が悪くなり、うっ血してしもやけを感じる場合もあります。
また、水仕事をお湯で行うと、皮脂膜や角質層の細胞間脂質が奪われ、バリア機能が低下して乾燥が悪化し、ひび割れの原因になってしまいます。
乾燥対策が必要な部位は?
私たちのカラダで乾燥しやすい部位は、皮脂腺の少ないところです。
具体的には、かかとやスネ、ひざ、手、ひじなどが挙げられます。次に、顔の中では口周りや頬、首などです。これらはいずれも年齢を感じさせやすい部位ですよね。
乾燥している部分は、かゆみや赤みだけではなく、そのままにしていると老けた印象を与えてしまうことになります。年齢とともに肌の乾燥やシワは増していくので、保湿が非常に大切です。
漢方からみる乾燥肌対策
乾燥肌は、貧血気味だったり、血流が悪い場合に悪化しやすいとされています。
一番の乾燥肌対策はこまめな保湿ですが、新陳代謝を上げるために食事の改善も大事な要素のひとつです。患部のケアだけではなく、全身的に行うことが大切です。
漢方医学では、漢方独自の考え方である「気・血・水(き・けつ・すい)」から不調を探っていきますが、皮膚の乾燥は、血の不足である「血虚(けっきょ)」が原因であると考えられています。
皮膚の症状に加え、睡眠障害、精神不安など合わせ持つ症状などをもとに、その人に適した漢方薬が選択されますので、専門の医師や薬剤師に相談することをお勧めします。
このように、乾燥肌で悩んでいる人は、カラダの外側からのケアだけではなく、カラダの内側から対策をとることのできる漢方薬を選択肢として考えてみるとよいでしょう。
もちろん、漢方薬の服用だけではなく、乾燥を防ぐために保湿剤を使用したり、乾燥しすぎないように環境の改善などもしっかりするようにしましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛