漢方ビュー通信

お酒との付き合い方、見直してみませんか!?

お酒との付き合い方、見直してみませんか!?

年度末、春先はお酒を飲む機会が増えると思います。
そうなると、つきまとう問題が「二日酔い」ですよね。
その二日酔いで体調を崩す人も多いこのシーズン、今一度、お酒との付き合い方を見直してみませんか?

今回は、その対処法を漢方薬剤師がお伝えします。

なぜ二日酔いやむくみは起こるの?

お酒に含まれるアルコールは、肝臓で代謝され、カラダに無害な酢酸に変化します。
しかし、その肝臓のはたらきにも限界があり、ある一定量以上の飲酒をしてしまうと代謝が間に合わず、中間代謝産物の「アセトアルデヒド」が体内に蓄積されます。

このアセトアルデヒドは人体にとって有害で、頭痛や吐き気など、さまざまな症状を引き起こします。
また、アルコールは体内で分解する際に水を必要とします。そのため飲酒をすると喉が渇き、余分に水分を取りすぎてしまい、むくみとなってしまうのです。

漢方の考え方では、このようにカラダの中に余分な水分や有害物質が溜まった状態を「水毒(すいどく)」といい、しっかりと排出していくことが大切です。

お酒による健康、美容への弊害

飲酒によって起こるのは、二日酔いやむくみだけではありません。
下記のような、女性にとっては嬉しくない症状が挙げられます。

  • 肌の乾燥
  • ニキビ
  • 肌老化
  • 体重増加
  • 胃腸の不調
  • 頭痛
  • 冷え

アルコールは、一時的にストレスを発散できたり、仲間と一緒にワイワイ飲むことで楽しい気分を味わうことができます。ですが、自分のカラダと向き合いながら“飲み方を調節すること”が、健康と美容を守る上で必要不可欠です。

お酒による健康、美容への弊害

カラダに優しい、お酒の上手な飲み方

お酒の上手な飲み方として、次の2点を覚えておきましょう。

―空腹のときは飲まないー

お酒の席で、まずは「乾杯〜!」といきたいところですが、そこで一気に飲んでしまうのはNG。
お腹が空っぽのときは、アルコールを急速に吸収してしまいます。それだけでなく、胃腸への刺激も強くなるため、カラダの負担が大きいです。
アルコール中毒や翌日の二日酔いを防ぐためには、必ず何か食べ物を口にしてから飲酒をするようにしてください。また、レモンや梅干しなどの酸味のあるものは「肝(かん)」の不調を防いでくれるので、一緒に摂るとよいでしょう。
和食だったら、しじみの入った味噌汁などもおすすめ。オリーブオイルやバターのような、脂肪分が多いものもアルコールの吸収を抑制してくれます。

―水分補給をしながら飲酒する―

喉が渇いたから、ビールでたっぷり水分補給!…というのは、じつは間違い。
アルコールはむしろその逆で、カラダから水分を奪ってしまいます。そのため、水を飲まずにお酒を摂取し続けることは、脱水症状を引き起こしてしまう場合があるので注意が必要。
また、体内のアルコール濃度も高まってしまうため、お酒の席での水分補給は必須です。
一度に飲酒するのではなく、なるべくこまめに飲みながら同じペースで水を飲むこと。これが大人の、上手なお酒のたしなみ方です!

お酒を飲み過ぎてしまったときの漢方薬

漢方入門!漢方薬の名前に隠された秘密を解説

お酒を飲み過ぎないことが何より大事ですが、ついつい…という時には肝臓のはたらきを助けてくれる漢方薬がおすすめです。

<黄連解毒湯(おうれんげどくとう)>

熱による炎症を抑えてくれるため、二日酔いによる胃の不快感や頭痛のときにも使用できます。飲酒で顔が赤くなったり、カラダが熱くなる人に向いています。

<五苓散(ごれいさん)>

お酒を飲んでむくんでしまう方におすすめの漢方薬です。
水分代謝を促し、余分な水分の排出を助けてくれるため、二日酔いで重だるく感じてしまう人にもおすすめです。カラダを温めて血流も促すので、めまいや頭痛がする方にも。

※漢方薬は専門家による判断がとても大切です。このような症状がある場合は医師、薬剤師にご相談ください。

アルコールは、適度な量を摂取することでストレス発散ができますが、一歩間違えると健康や美容に害を与えてしまいます。しっかりと飲み方を見直すことで、お酒が美味しくなるこの季節、体調を崩すことなく楽しんでくださいね!

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

Mar 29 2021

薬剤師・森田博美

関連コンテンツ