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漢方ビュー通信

睡眠の悩みには漢方薬と西洋薬のどちらがいいの?

寝つきが悪い、夜中に目が覚める、眠りが浅い、夜中に何度もトイレに起きる、早朝に目が覚めるなど、睡眠にまつわる不調を感じる人が例年よりも多くなっているようです。

これは、コロナウイルスの影響で悩みが増えたり、いつもと違った生活リズムになったり、カラダを動かす機会が減ったりしたことで、睡眠の質を下げるような環境になっていることが原因として考えられます。

そこで今回は、薬剤師である筆者が、睡眠の悩みについて解説します。

睡眠の質は、起きた時間で決まる!?

人間の体内では、朝、太陽の光を浴びることで、気持ちを前向きにする「セロトニン」と呼ばれる脳内物質が分泌され、それとともに睡眠時に必要な「メラトニン」の分泌が抑制されていきます。
そして約15時間後には、睡眠を誘発するメラトニンの分泌がだんだん増えて、眠りにつくようになります。

つまり、乱れた生活リズムを正す方法として“早寝”が有効のように感じられますが、睡眠を誘発するメラトニンの分泌がタイミングよく分泌されるかどうかは、眠りにつく約15時間前にすでに決まっているといえます。ですから、生活リズムを正すためには、眠りにつく時間を気にするよりも起きる時間に着目することが重要なのです。
例えば、22時ころに眠りにつきたければ、逆算して15時間前の7時に起きて朝日を浴びると、理想的な睡眠が誘発されると考えられます。

また、このメラトニンはトリプトファンというアミノ酸から作られるので、タンパク質の不足がないような食事を摂ることも必要なことです。

睡眠薬は自分の悩みに合ったものを

睡眠薬には、寝付くために時間がかかる人のための「入眠導入剤」と、夜中に途中で起きてしまう中時間型や長時間型のための睡眠薬というように種類がいくつかありますが、誤解されやすいのが、睡眠薬の作用の強さに対しての認識です。

「すぐに寝つける=強い睡眠薬」と思いがちですが、それはカラダの中で薬が最高濃度に達成する時間が早いもの、つまり即効性があるということで、一概に“強い睡眠薬”と一括りにできるわけではありません。

ですから、睡眠について悩みを抱えている時には、自己判断で医薬品を選択したり、漫然に服用するのではなく、自分自身の睡眠の悩みを医師に相談したうえで、“自分に合った医薬品”を選択することが大事です。

漢方薬の特徴は症状に合わせた選択ができること

自律神経の乱れには漢方薬が効果的な場合も

睡眠薬と聞いて抵抗を感じる人も多くいると思います。そんな場合には、漢方薬を試してみてはどうでしょうか。
睡眠時に関する悩みとして、ストレスや冷えによる寝つきの悪さ、貧血による睡眠の質の低下、カラダが火照って眠れないなど、悩みはそれぞれですが、漢方薬ですと自分の体質や不眠に陥るときの性質などに合った漢方薬をチョイスすることができます。
また、一度寝つきが悪い日があると、今日も眠ることができないのではないかと自分にプレッシャーがかかる人も多いようですが、こういった、些細なメンタルの悩みに対しても解決に導いてくれる場合があります。

ただし、睡眠の悩みの程度は、軽度なものから重度なものまで人によって違います。
また、症状によっては、西洋薬を第一選択するケースもあるので、どちらを服用するかの判断は、専門の医師や薬剤師に相談したうえで決めるようにしましょう。

睡眠について悩む現代人は非常に多く、今なお増加傾向にあると聞きます。
時と場合によって、漢方薬もしくは西洋薬を用いるなどして、睡眠の悩みと上手に付き合っていきましょう。
また、漢方薬に興味がある人は、漢方ビューの「悩み別漢方:不眠・不眠症」でも、詳しく解説していますので、処方される漢方薬など参考にしてみてください。

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/search.html

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師がこの診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

Apr 16 2021

薬剤師・大久保 愛

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