油断禁物!真夏の前でも注意したい夏バテ
毎年夏になると、夏バテの症状であるダルさや不調を感じてしまう人は多いと思います。
このような人たちに共通しているのは、事前に“何も対策をしていないこと”!
今年の夏を少しでも快適に過ごしたいと思っている人は、灼熱の季節がやってくる前から“夏バテ対策”をしていくことが必要です。
今回は薬剤師である筆者が、今から実践できる夏バテ対策を紹介します。
挙げればキリがない夏バテの原因
夏には、“バテる”原因がたくさんあります。
例えば、暑苦しくて睡眠不足になる、冷たい飲食物の摂り過ぎでお腹が冷える、冷房でカラダの芯まで冷えてしまう、室内と室外の温度差で自律神経が乱れる、強い紫外線に長時間さらされるなど…挙げていくとキリがありません。
さらに、夏バテの影響で体力や免疫が低下したカラダには、エンテロウイルスやアデノウイルスなどのウイルスに感染しやすく、夏風邪を発症してしまうこともあります。
すぐに実践できる夏バテ対策3つ
夏バテの原因から考えると、電解質と自律神経を整えることをメインに行っていくことが対策のひとつになると考えられます。
そこで、夏バテ対策としてすぐに実践できることを3つ紹介します。
1)暑いときは夏野菜でカラダをクールダウン
夏野菜には、暑いときに乱れやすい電解質を整えるミネラル、水分、免疫をサポートするファイトケミカルやビタミンCなどが豊富だからです。
例)とうもろこし、トマト、ナス、きゅうり、オクラ、ズッキーニ、さやいんげん、枝豆、パプリカ、ピーマン、ゴーヤ、かぼちゃ、ししとう、キャベツ、ニラ、レタス、空芯菜、おかひじき、つるむらさき、大葉、アスパラガス、など
2)冷たい飲食物を控える
冷たい飲食物は、内臓をダイレクトに冷やすことになり、胃腸の働きの低下、自律神経の乱れを同時に起こすからです。
3)起床時、就寝時に常温以上のお水をコップ1杯飲む
睡眠時には、500ml~1Lもの水分が汗として排泄されます。真夏だけではなく、梅雨の時期から9月くらいまでは水分摂取の意識を忘れずにしましょう。
夏バテの症状に応じて服用する漢方薬をチョイス
上記の夏バテ対策に加えて、漢方薬もおすすめです。
夏バテに対して医薬品──というイメージはないと思いますが、漢方薬は夏バテのような病気とはいえない症状の改善に適しています。
例えば、カラダにこもっている熱を冷まし、体力をつける「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」、胃腸の症状には「安中散(あんちゅうさん)」や「六君子湯(りっくんしとう)」、ダルさが取れない時には「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」など、非常に多くの種類があります。
以前は、夏バテを起こす時期はお盆明けから夏の終わり頃とされていました。
しかし、35℃を越すような猛暑日が当たり前になった昨今では、夏バテの症状が早く訪れるようになったと考えられます。
少しでも不調を感じたら、我慢せずに漢方に詳しい医師や薬剤師に相談して症状を緩和するようにしましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛