コロナ禍のマスク生活で増加中!気になるニキビの対処法は?
マスクの下にできたニキビ「マスクネ」
コロナ禍2年目の夏──。
マスクによって呼吸や汗で蒸れたり、こすれたり。気がついたらニキビができていた…なんていうこともあるかと思います。
実際、マスクの着用でニキビができやすくなることを指摘する皮膚科医も多く、最近では、これを「マスクネ(マスク+アクネ)」と呼ぶのだそうです。
そもそも、ニキビは間違ったセルフケアで悪化しやすい代表的な皮膚疾患です。
では、どんなことがリスクになるのか、どんな予防や対策が必要なのか。“コロナ禍のニキビ対策”についてみていきましょう。
ホルモンバランスの変調や体質などが影響
そもそもニキビとは、顔や上半身の毛穴にできた丘疹のこと。専門的には「尋常性ざ瘡(ジンジョウセイザソウ)」といいます。
ニキビにもいくつかタイプがあり、皮脂などの分泌物がたまったものを「白ニキビ」、皮脂の外側がホコリなどで汚れ、黒っぽくなったものを「黒ニキビ」と呼びます。
このほか、溜まった皮脂に常在菌のアクネ菌などが感染して炎症が起きた状態を「赤ニキビ」といい、こちらは化膿しやすいので注意が必要です。
ニキビができる原因のひとつはホルモンバランスの変調で、男性ホルモンの分泌や働きが関係しているといわれています。生理前にニキビができるのも、ホルモン分泌が影響しているためだと考えられています。
加えて、ストレスや食事の内容、生活習慣の乱れなどもニキビの発生に関わっています。
マスク着用でニキビができやすい理由とは?
こうした原因に新たに加わったのが「マスクの着用」です。
ニキビの予防には、汗をかいたらすぐに拭いて肌を清潔にする、肌の油分や水分を適度に保つといったことが大切。
ですが、マスクを付けているとこまめに汗を拭くことはできませんし、マスクの繊維で肌がこすれるので表皮のバリア機能が低下し、適度な油分や水分を保てなくなります。
この結果、ニキビ菌が増殖しやすい環境となり、ニキビができやすくなるというわけです。
帰宅後のスキンケアが重要。マスクサイズの見直しも
マスクニキビを予防するためには、こまめに汗をふき、帰宅したらやさしく洗顔し、ローションや乳液、クリームなどで油分や水分をしっかり補います。
マスクの不織布が合わず肌の調子が悪くなった人は、マスクと皮膚の間に肌への負担が少ないガーゼなどを挟むとよいかもしれません。
また、マスクのサイズが小さいと、肌に密着するので、肌へのダメージが大きくなります。キツいなと思ったら少し大きめのマスクを使用しましょう。ただし、サイズが大きすぎると感染対策になりにくいので、気を付けてください。
内側ケアに漢方で、ニキビに負けない肌を
こうしたマスク時の肌対策とともに、内側からの対策も取り入れましょう。
脂肪分の多い食品は控え、ビタミンやポリフェノールなど抗酸化作用のある成分を含む食品を積極的に摂ること。
そして、睡眠をしっかりとり、ストレスを溜めない生活を送ること。
それでも繰り返しニキビができてしまうようなら、「漢方」の力を借りるという手もあります。
漢方では、ニキビだけを診て治療をするだけでなく、ニキビができる根本的な原因を探り当てて、そこを改善させていくことを目的にします。あわせてニキビそのものをよくしていく漢方薬を用いることもあります。
具体的には、「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」や「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」、「桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)」などが用いられます。
まだまだしばらくの間、続きそうなマスク生活。
カラダの外と中からしっかりケアして、ニキビに負けない健康的な肌を目指しましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
参考
漢方ミニ知識シリーズ「ニキビ」
https://www.kampo-s.jp/m_square/library/book2/mini/index_h5.html#12
医療ライター・山内