夜型人間になっていませんか?気になる不調があるなら見直しを
コロナ禍で、就寝時間が以前と比べて遅くなっている人は多いのではないでしょうか?
要因として、長期化する自粛生活やリモートワーク生活でリズムが乱れ、夜型の生活になっている人が増加しているからだと思います。
私たちのカラダには、睡眠や行動の周期に影響を与える「体内時計」と呼ばれる機能が備わっています。この時計を整えるために必要な要素として、光や食事、運動、生活習慣などさまざまなものがありますが、その中でも“光”による刺激がもっとも影響を与えるとされています。
そのため、夜型の生活になっている人が陥りやすいのが、就寝前のスマホやパソコンです。
それらの光の影響を受けることで体内時計が乱れ、睡眠の質が低下したり、思わぬ不調を感じたりする原因になっているかもしれません。
そこで、今回は薬剤師である筆者が、体内時計と健康状態について解説します。
体内時計の乱れによって体調不良に?
体内時計とは、私たちのカラダに備わっている生体リズムを調整しているメカニズムのひとつで、およそ24時間周期で生理機能的にリズムを刻んでいます。
例えば、睡眠のリズムや体温、血圧、消化酵素、ホルモンの分泌、免疫機能などのコントロールにも関係しています。
そして、体内時計のリズムを決める一番の要因が、前述したように光による刺激です。
夜中のネットサーフィンや動画鑑賞などはこのリズムを乱す原因となります。
そして、体内時計と実際の生活のリズムがずれて生活してしまっているときに、私たちは体調不良を起こしやすくなると考えられています。
就寝前の“光”がもたらす影響
光の刺激は、視神経を介して、視床下部にある視交叉上核(しこうさじょうかく)に届きますが、この視交叉上核に体内時計の中枢が存在しています。そして、光の刺激は、睡眠の質に関わるメラトニンの分泌に関係する松果体(しょうかたい)まで伝わります。
私たちのカラダは、朝、太陽の光を浴びるとその刺激により、約14〜15時間後に催眠作用のあるメラトニンの分泌が増えるようになっています。
ただ、光の刺激はメラトニンの分泌を抑制してしまうので、夜中に光をみる行為(スマホの液晶画面を見るなど)が続くと、体内時計が乱れてしまい、その結果として睡眠の質の低下、疲労感、肌荒れ、自律神経の乱れ、肥満、糖尿病、高血圧などさまざまな不調へつながるとされているのです。
生活リズムを整える漢方習慣
世の中にはさまざまな健康法がありますが、その多くに共通しているポイントは「成長ホルモン」です。
カラダ全体を修復し、脳の疲労を取り除くことのできる時間は、深い睡眠時である「ノンレム睡眠」のときですが、この時間に分泌されているものが成長ホルモンになります。
成長ホルモンは、入眠後およそ90分の間に最も多く分泌されるとされているので、睡眠の質の向上は健康維持にとって欠かせないといえるでしょう。
そこで、生活のリズムが乱れてしまっている人におすすめなのが漢方薬です。
漢方薬を用いることで、生活リズムの乱れを補正しながら、同時に睡眠の質を向上させる手助けとなるのに期待ができます。
例えば、睡眠の質が下がる理由は、ストレスで夜更かししてしまう、考えすぎて寝つきが悪い、トイレが我慢できずに起きてしまう、カラダが冷えて眠れないなど十人十色です。
個々の原因を追究し、それらに対応する漢方薬を活用しつつ、起床時間を固定することが、生活リズムを整える近道になるでしょう。
もちろん普段の生活習慣を整えたりなどの努力も必要ですが、それに漢方薬などのサポートを加えて、体内時計を正していく行動が大事です。
漢方薬については、専門の医師や薬剤師にアドバイスをもらいながら、適宜服用するなどして、自分に合った付き合いをしていくとよいでしょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛