漢方ビュー通信

「わたしたちのヘルシー ~心とからだの話をはじめよう~」レポート①

女性の健康週間と国際女性デーにあわせて開催

去る3月6日、女性の健康週間(3月1日~8日)と国際女性デー(3月8日)にあわせ、女性自身の心とからだのヘルスケアを学ぶオンラインイベント「わたしたちのヘルシー ~心とからだの話をはじめよう~ in Mar.2022」がWomen’s Health Action×CINRAの主催で開催されました。
全部で11種類のプログラムが企画されていた中の1つが、<「なんとなく体調が悪い」を我慢していませんか? ~漢方とヨガで心とからだを整えよう~>。
2回にわたって、その様子をレポートします。

検査では異常はないけれど、体調が悪い状態

最近疲れやすい、イライラする、眠れない、カラダが冷える…。原因はわからないけれどなんとなく体調が悪い。それは、もしかしたら「不定愁訴」かもしれません。

――そんなテーマで行われた同プログラムに登場したのは、産婦人科医でヨガ指導者の高尾美穂先生(イーク表参道副院長)と、音楽活動のほかファッションやアート、社会課題のプロジェクトに取り組む「水曜日のカンパネラ」の元ボーカルのコムアイさん。
まずは、メインテーマである不定愁訴とはどういうものかについて、高尾先生が「何となく体調が悪い、医学的に説明がつかない状態」と説明。その上で、「健康とイマイチのときの状態をイメージしてほしい」と、話をつなぎます。

「例えば貧血。医学的にはヘモグロビンが12.0%以上あれば正常で、11.9%以下だと貧血と診断されますが、その0.1%の間に大きな体調の変化があるかというと、そういうわけでもありません。つまり、<健康=絶好調、病気=病名がつく状態>に置き換えると、その2つの間に解離があることがわかります。このゾーンを東洋医学的には『未病』と呼んでいて、検査では異常はないけれど、体調が悪い。これがまさに不定愁訴なんです」

絶好調と病気の間にいる人が意外と多い?

高尾先生の話をうなずきながら熱心に聞いていたコムアイさんは、「不定愁訴という言葉を初めて聞いた」とのこと。
そして、「女性のほうが健康であることに敏感な人が多い。幅広く、いろんな場所に出てくる不調を、1つの言葉にまとめられるのがいいですね」と話されました。

不定愁訴や未病な状態、いわゆる健康と病気との狭間にいる人は意外と多いにもかかわらず、こうした状態には病名が付きにくいことから、「西洋医学的にはやること(治療)があまりない」と語る高尾先生。それについてコムアイさんは、「半分ぐらいしかわからないということで、受け止めないといけないんですね」と理解を示していました。

形の異常はわかるが、働きの異常はわかりにくい

では、なぜ西洋医学的にできることが少ないのでしょうか。高尾先生が解説します。

「それは、病院の検査でわかること(の多く)は、〝形の問題〟だからです。
例えば、超音波の検査で子宮が大きかったり、卵巣が腫れていたりすることはわかります。しかし、形には異常がなくても働き(機能)が問題になることもあり、それらは検査ではわかりません。働きは日々刻々と変化するため、そのときの変化、検査の値だけだとなんともいえないのです」

なかでも、ホルモンや自律神経は働きの問題で不調をもたらすことが多いため、より西洋医学的には見つけにくいそう。
それでも「この不調、何とかしたい!」と思う人は多いはず。そういう悩める私たちにとっておきのアドバイスを、高尾先生が教えてくださいました。(続きはレポート②で!)

参考

わたしたちのヘルシー ~心とからだの話をはじめよう~ in Mar.2022

 

Apr 15 2022

医療ライター・山内

関連コンテンツ