夏直前!肌トラブル対策の準備はできてる?
日の出から日の入りまでの時間がもっとも長くなる夏至ですが、今年は6月21日にあたるそうです。このタイミングで太陽がもっとも高い位置へと昇り、日本全域を燦燦(さんさん)と照らします。
停滞前線の発生で太陽を陰らせることもありますが、強い紫外線と高温多湿の環境で、秋のはじめまで過ごすことになります。
さて、このような環境で気になるのが、肌トラブル。
紫外線で肌にダメージが加わり、日焼けやシミ、日焼け止めによる肌荒れ、汗による湿疹、エアコンで乾燥したりと、さまざまなトラブルが発生しやすくなります。
そこで、今回は薬剤師である筆者が、夏の肌トラブルとその対策について解説します。
この時期の肌トラブルの主な原因とその対策
この時期の肌トラブルの原因はさまざまですが、特に注意したい3点を挙げます。
合わせて、それぞれの対策法も紹介しているので、少しでも症状を回避・和らげるようにしましょう。
1)紫外線
紫外線によるトラブルとしては、日焼けが一番気になると思いますが、それ以外にもシミやシワ、たるみなどの「光老化(※)」にも注意です。日焼けは一時的なものですが、肌の老化は時間が経てば治るといったものではないので深刻です。
日焼け止めクリームでしっかり対策をしたいところですが、日焼け止めに使われる紫外線吸収剤により接触性皮膚炎を起こすこともあるので、肌が弱い人は日傘やサングラスなどでしっかり対策をとりましょう。
(※)…光(紫外線)に当たることで起こる細胞の劣化
2)発汗
肌は、弱酸性の状態で健康に保たれているとされています。
ですが、汗をたくさん掻いた状態で放置していると、アルカリ性に傾き、肌に負担がかかってしまいます。
また、汗を掻き過ぎることで汗腺がつまったり、保湿成分が流れて乾燥してしまったり、アクセサリーなどの金属によってトラブルを起こしてしまうこともあります。
なるべく清潔を保ち、適度に保湿することを忘れないようにしましょう。
3)ストレス
春ごろから受けていた環境の変化によるストレスなどは、少し後になって表面化してくる場合があり、ちょうど今くらいの時期は注意した方がよいかもしれません。
ストレスは肌のターンオーバーを乱し、肌トラブルの元になってしまうことがあります。さらに、寝苦しさによる睡眠不足や暴飲暴食、冷たいものの食べ過ぎ、化粧を落とさずに寝てしまうなど、生活習慣の乱れが、肌の状態を悪化させてしまう要因になってしまうことも。
少しでもストレスを感じたら、または感じる前に、規則正しいライフサイクルやしっかり栄養管理をした食生活などで、肌荒れ対策を行うようにしましょう。
肌トラブルの対処に漢方薬が助けになることも
前述したように、肌トラブルの対策として、日傘やサングラスなどで紫外線対策、汗を掻いたらなるべく早く清潔にする、リラックスできるような生活を送る意識などが必要であることが分かったと思います。
ですが、すべての人が完璧に対策できるわけではありません。そこで、肌の状態をサポートするのに、漢方薬を試してみるのも方法のひとつです。
例えば、若い女性に多いのが、疲れやストレスによって顔色が悪くなったり、目の下にクマができたりするケースです。そのような場合、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」などが用いられることがあります。
その他にも、乾燥肌や湿疹、かゆみ、赤み、黒ずみなどのケアに役立つ漢方薬もあります。漢方薬の良さは、皮膚のかゆみで生じる皮膚以外の問題を改善できることなどが挙げられます。
興味がある人は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談し、内側からのケアとして試してみてはいかがでしょうか。
夏本番が目の前です。肌トラブルが本格化する前に、早め早めのケアを行っていきましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛