漢方ビュー通信

女性の健康を支える「フェムテック」って知ってる?

女性の健康を支える「フェムテック」って知ってる?

「恥ずかしい」から「一緒に考える」へ

2021年の新語・流行語大賞にもノミネートにあがった「フェムテック」
Female(女性)」と「Technology(技術)」を掛け合わせた造語で、女性の健康をサポートする、さまざまなグッズやサービスのことを指します。

注目されている言葉とはいえ、まだまだ知名度は高くなく、今後の普及が課題となっている分野です。
かつて、女性特有の健康に関するさまざまなこと――、例えば月経(生理)や性、更年期のことなどは、公にすることがはばかられてきました。そのため、女性は悩みや心配ごとあっても、なかなか人に相談することができず、1人で解決したり、あきらめたりしなければなりませんでした。

そういった、当時「恥ずかしいこと」とされてきたことが、現代の多様化の社会のなかで、「悩みを共有し、一緒に考え、解決していこう」という流れに変わってきました。
そのひとつの表れが、フェムテックです。

月経用吸水ショーツや月経カップなど

月経用吸水ショーツや月経カップなど

フェムテックには、大きく月経(生理)、更年期、妊娠・出産(妊活から産後ケアまで)、セクシャルヘルスの4分野があり、それぞれにグッズ、サービスが展開されています。

例えば月経(生理)では、ナプキンの代わりに月経血を溜めておけるグッズ(月経カップ)や月経血を吸収するようにできているインナー(月経用吸水ショーツ)などが商品化されています。このほかにも、洗って繰り返し使える布ナプキンなどもあります。
月経カップは、シリコン製のカップで、タンポンのように腟の中に入れて使うもので、経血の漏れがなく快適という声などがSNSなどで聞こえてきます。月経用吸水ショーツは、最近になってファストファッションブランドでも取り扱うようになったことで、身近なアイテムとして認知されはじめています。

SNSなどを通じて広がるフェムテック

SNSなどを通じて広がるフェムテック

月経関連以外でみると、デリケートゾーンに使える刺激の少ない石けんや保湿クリーム、尿もれに関係する骨盤底筋のゆるみを解消する腟トレーニングなどのケアグッズ、生理周期を管理するアプリや、避妊などに用いるピルのオンライン処方などのサービスも、続々と登場しています。
フェムテックの先進国である国では、基礎体温やおりものの成分から妊娠しやすい日を伝える妊活応援デバイスなども開発されているようです。

こうした「フェムケア」を含めたフェムテックは、SNSなどを通じて広がりを見せています。
気になる人は一度、フェムテックで検索してみるといいでしょう。月経のケアにしても、ほかの健康問題にしても、選択肢が広がる可能性は十分にあります。

フェムテックはSDGsにも通じている

フェムテックには別の側面もあります。それは、最近話題の「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」とのつながりです。
おさらいになりますが、SDGsは「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際目標のこと。2015年に実施された国連サミットで採択されたもので、よりよい世界を目指すための国際目標を示しています。

この目標には17のゴールと169のターゲットがありますが、3番目のゴール「すべての人に健康と福祉を」、5番目のゴール「ジェンダー平等を実現しよう」に関係しています。
女性の健康問題をみんなが認識し、支え、解決に導いていくことは、現在だけでなく、未来の人たちのためでもあるということなのです。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Jul 1 2022

医療ライター・山内

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